【BF】エルーシャ遺跡の闘い 
4432:シモン 2004/03/22 11:03:16 

静かで暗い闇の中にほのかな明かりが揺れる。
冷たく古く歴史を感じさせる石柱立ち並ぶ地下迷宮。
古代を感じさせるエルーシャ遺跡。かつてのストーンカの栄光の址。
また、ここに訪れる者が4人……遺跡にはそれぞれの足音が反響する。
さながら怨霊の叫びとも取れる遺跡にこだまする物音。
古代の栄光の亡霊は静かに強く、今を生くる者の血を望むのであろうか・・・

<第3回ガッツオバトルフィールド 開幕!!>
 4433: 組み合わせ:執行部 シモン 2004/03/22 11:03:55 
組み合わせ
ASKAvsファウスト
ダークネスvs片翼

尚、このフィールドは「シモン執行部」が審判として入っています。

<状態のフィールド>
天候:屋内・暗
状態:乾
今回は、特別に皆さんに松明を配布してあります。
 4435: 開幕1:シモン シモン 2004/03/22 11:05:10 
遺跡の中にカエルが一匹、その手には松明。明かりがカエルの周りを照らす。
「ケロ〜、執行部長のシモンケロ。このフィールドで審判・進行を勤めさせていただくケロ。みなさん、よろしくケロ〜。選手の皆さんは現在、遺跡内各部へ散ってもらって待機してもらっているのケロ。
 今回は管理人のミリオラーネさんの許可を得て、ここエルーシャ遺跡を使わせてもらっているのケロ。いくら、個人所有物とはいえ、歴史情緒溢れる大事なものなのケロ。みなさん気をつけてケロヨ。壊した人はおいらと一緒にミリーさんの所に頭下げにいくケロヨ(何)」
 4436: 開幕2:シモン シモン 2004/03/22 11:05:31 
 ふいに一迅の風が吹き抜ける。カエルの手の松明の灯は強風に耐えられず、吹き消され、周囲はまた薄明かりの暗闇に戻った。
「あ!!暗くなっちゃったケロ。
…まぁ、皆さんにも松明を一本ずつお渡ししたことだし、きっと大丈夫ケロネ。
 にしても、広い迷宮ケロネェ。皆さん迷子にならないように、そして健闘を祈るケロ」
 暗闇でカエルは二言三言つぶやく。
「…と、では、みなさん準備OKケロ?」
 カエルは誰も見てるはずないなか手を上げて、大きな声で宣言する。
「第三回ガッツオバトルフィールド、ここに開幕ケロッ!!」
 大声は暗闇をこだまして消えていった。
 4451: 戦場の調べ:ファウスト ファウスト 2004/03/22 13:23:27 
「迷宮、心奮わせる趣向ですね」
刀を抜き身で右手に下げて目を閉じる
思い起こすは昔、冒険者だった頃・・・罠と魔物と宝物の世界
壁を切っ先でカリカリと削りながらゆっくりと歩く
あの頃の感覚を思い出すように

松明の火を消し袖口からワイヤーを繰り出し背中に括り付ける
そして少し考えてから
「かっこ悪いですねぇこれ、絵面が」
思い直して左手に持ち

走り出す
「さぁここは私の戦場」
声をあげて戦いの合図
「ここは私の戦場」
迷宮の奥へ
「私の戦場」
戦いの場へと

「しばしの間・・・お相手願いますよ?対戦者の方」
そして暗闇の中へ消えていった
 4453: 闇への一歩 1:片 片翼 2004/03/22 16:35:48 
「…今度は屋内…」
『…グレイブを放り出すには良い状況だな、主殿』

がっくりと肩を落とした俺に、精霊が笑う。なんだか無性に腹が立って、肩に担いだグレイブを握り直した。
今度は序盤で捨てないようにしようと思いつつ。

「…まあ、やれるだけやる。…相手は…あのダークネス殿だからな」

本選前に見た対戦表を思い出して、苦笑する。戦いたくないような、戦いたかったような、そんな相手が対戦相手だと知り、その場で一瞬卒倒しかけたが、戦場へ出た今となってはもう覚悟も決まっていた。

「…せいぜい見苦しい戦いをせんように、するさ…」
 4454: 闇への一歩 2:片 片翼 2004/03/22 16:37:15 
ふと、シモン殿の声が聞こえた気がして立ち止まった。
そろそろ試合開始の合図の時間…。

『…主殿…』
「…わーっとる…」

松明をその場に置いた。ここからは闇の中、夜の世界。

「…こんな暗い中で灯りなんぞ持っとったら…あの人には良い標的やもんな…」

開いた右目で目を凝らす、薄ぼんやりと暗く続く遺跡の道が見える。
早く暗闇に目を慣らさないと…そう思いながら闇の中へ歩みを進める。
松明から離れる毎に、心はまるで静かになって。

「…せめて一太刀…」

歩き出したのはBFの戦場へか、それとも…。


(TurnEnd
 4456: 選手紹介1:シモン シモン 2004/03/22 17:08:46 
まず最初に登場するは【白薔薇の騎士】いちg・・・・・・ファウスト!!
 武器は覇刀竜皇刃。もしかしたら、このフィールドに一番適した存在。
 どのような闘いを見せてくれるか目が離せないケロ

続くは、【嘆きの翼】片翼!!
 その武器はグレイブ。残念ながら屋内では自由の利かない武器。
 このピンチをどう脱するのか!!?精霊とのコンビネーションにも期待ケロ!!
 4471: 迷子1/対苺:ASKA ASKA 2004/03/22 21:44:16 
自宅に届いた予選通過のお知らせ。
そこには対戦相手と対戦場所が記載されていた。

「………ファウストさま…何方だったかしら?」

届いた手紙を眺めながら首を傾げる。
暫く眺めて、

「ああ!!苺ですかー」

ぽんっと手を叩く。
何故本名で書かないのか。と思いながら、ペンで「ファウスト」の文字を消し、「苺」と書き直した。

「さぁ、これでいいですわ」

満足そうに手紙を眺め、家を出た。
 4472: 迷子2/対苺:ASKA ASKA 2004/03/22 21:44:56 
そして辿り着いたのは、エルーシャ遺跡。
周りは薄暗く、手紙と一緒に送られて来た松明を持ってはいるが、慣れていない者にはその光はひどく心もとない。

「多分この辺だと思うのですけれども…」

執行部から指定された場所に着いたはずなのだが、目印らしきものが全く見つからない。
きょろきょろとあたりを見回し、隅から隅まで探すがやはり違う場所のように見える。

「困りましたねぇ…地図もないですし…
 うーん。でもまぁどこかに苺も居られるでしょうし、適当に歩きましょうか」
 4473: 迷子2/対苺:ASKA ASKA 2004/03/22 21:45:13 
ノンビリと歩きながらも、流星錘に魔力を込める。
足元を確かめるように歩き、そして暫くして松明の火を消した。
灯りがあってはかえって闇が深くなる。
火を持ちながら戦うことも不可能。

広くはありますが…大きな動きは制限されますね。
更にこの闇の中では、戦い慣れたあちらの方が有利。

「さて…どうしましょうかねぇ」

いつも通り、微笑みながら歩いていたが、目は決して笑っていなかった。
闇に溶け込み迫ってきているはずの相手を逃さぬ為に。
 4482: 闇:ダークネス ダークネス 2004/03/22 22:44:47 
「…エルーシャ遺跡、か…」

ガッツオ郊外にある遺跡…そのうちの一つ、エルーシャ遺跡の地下迷宮の入り口に、一人の男が立っていた。
漆黒の髪、漆黒の瞳…常に闇を纏わせるその男は、灯かりも点さず躊躇う事なく迷宮へと足を踏み入れていく。

「…栄枯盛衰…栄華を極めしストーンカ帝国も、今となっては廃墟を残すのみ、か…」

暗闇の中を男は何の支障もなく歩いて行く。男にとって、暗闇は何の障害にもなりはしない。
“闇”の名を冠する彼には、暗闇こそ本来在るべき場所なのだから…
 4483: 闇2:ダークネス ダークネス 2004/03/22 22:45:21 
少し奥に入ったところで、男は静かに眼を閉じた。常人には到底不可能な気配を、彼は感じる事が出来る。
もって生まれた才能と、血反吐を吐くような訓練と経験が、彼にこのような能力を持たせた。

「…居る、な…3人…俺の相手は…」

ゆっくりと眼を開き、男は呟く…顔を、続いて体の向きを変えると静かに歩き出す。
少し歩くと、大広間のような場所へと出た。剣を振るうには、申し分ない広さだ。

「…丁度いい…此処で待つとしよう…」

言って、松明に火を点ける。彼が気付きやすいように…

「…さあ、来るがいい…」

松明の灯かりに照らされた“闇”は、それでもなお、深く昏かった…
 4487: 夜のような 1:片 片翼 2004/03/22 23:55:30 
闇の中を歩いているとつい、自分が誰なのか解らなくなる。
この手も足も感覚は在るのにどんな色だったのか解らなくなって。
そうして目眩がし始めた頃に、灯りが見えた。

「…あれ?」

声に出してみる。それはまだ声変わりが終わりきっていない少年の声。

『…主殿…』

精霊の声がする。
そうして漸く思い出す、自分。
閉じた左目にそっと手をやる。けして開かれる事の無い目、それは証。

「…わーってる…そこに、居るな…」

闇が。
まるで静かにそこに在って。
それは畏怖すべきものであり、敬愛するものであり、…優しい、もの。
 4488: 夜のような 2:片 片翼 2004/03/22 23:56:35 
そのまま無造作に足を進めた。今この場でダガーも何も飛んで来ないとしたら、それは相手が待っている、からで。
それならばこれ以上待たせるのは失礼だと思って。

「…おまっとさん…」

グレイブを担いで、広間に入った。
矢張り其処に佇んでいた闇に微笑んだ。
いつものように平然とした顔のまるで月のような雰囲気の男が、其処に立っていた。

「…手合わせ願います…」

グレイブを持ったまま、礼。珍しく敬語なんか使うのはちょっとくすぐったかったけど。
それでも、目の前の彼には礼儀を尽くさねばならぬ気がして。

「…………」

静かな目礼に、背筋にぞくりと何かが走る。
 4489: 夜のような 3:片 片翼 2004/03/22 23:56:59 
グレイブを左半身に構えた、まだぎこちないその構え。そもそも此れが俺に合っていると指摘してくれたのはこの目の前の男で。
無謀なのは承知で、柄を握る左手に力を込めた。

「…嘆きの翼……、…片翼…」

そういえばこの二つ名も考えて貰ったんだっけ、と苦笑しつつ。

「……推して参る!!」

叫びと共に思いきりよく地面を蹴って、左手を引いてグレイブを持上げて。
振り下ろす、勢いだけはいつだって良いんだ。

(TurnEnd
 4496: “翼”と“闇”:ダークネス ダークネス 2004/03/23 01:13:28 
待つ…ただ、静かに…松明の揺らめく炎だけが、ただ、そこに存在するだけの空間で…

『…おまっとさん…』

前の通路の暗闇の中から、グレイブを手にした一人の少年が現われた。
いつも見せるのと同じ微笑みを浮かべて…

『…手合わせ願います…』

言って、少年は一礼する…彼には分かっているのだ。これから何をすべきなのか、が。
その礼に、いつもどおり、目礼で応える“闇”
少年がグレイブを構えると、“闇”は腰の剣を静かに抜き放つ…
刀身が、闇に紛れる。『暗黒剣』と呼ばれるそれは、闇を凝縮させたかのような漆黒の刀身を持つ。
闇に身を委ね尚、正気を保っていられる者のみが扱える魔剣。
 4497: “翼”と“闇”/2:ダークネス ダークネス 2004/03/23 01:13:57 
『…嘆きの翼……、…片翼…』

構え合うと同時に、少年が口を開いた。

「…闇騎士ダークネス…」

その言葉に“闇”は静かな口調で応えると、手にした松明を宙に放り投げた。
暗闇が支配する中で、唯一の光源であった松明は、まるでスローモーションのように宙を舞い、そして、落下を始める。

『……推して参る!!』
「…いざ…」

松明が地に落ちた瞬間、2人は同時に、地を蹴った…
 4513: 闇の中:ファウスト ファウスト 2004/03/23 03:31:38 
壁をカリカリ削りながら心地よい緊張と共に、歩く
歩きながらふと自分の装備を考えて
「しまった。そう言えば打ち込む道具を忘れた」
考えて見ればワイヤーがあっても壁面に打ち込む道具が無ければワイヤートラップの大半が使えない
懐から白薔薇を取り出し黙考

(やはりこれ、登録しなければ良かったでしょうか)

「そんな訳ありますか、と」
自分の考えに自分で突っ込んでみたり
 4516: 闇の中2:ファウスト ファウスト 2004/03/23 03:48:35 
相手を阻むような抵抗力を持つトラップは作れ無いが
爆破のトラップなら作れる、それで十分である筈

「それに毎回同じでも芸が無いですしねー」
頭の回転力を徐々に上げてゆく
接敵まではまだ少し
振り返ると其処には曲がりくねった一本道
ニヤリと人の悪い笑みを・・・本人的には人の良い笑みを・・・浮かべながら爆破のトラップを5つ程、仕掛け始める
仕掛け終えたら足音を消し小走りに先を急ぐ
道端に落ちている形の良い石を選んで拾い懐へ入れながら


そして少し広い広場に辿り付いた
 4518: 闇の中3:ファウスト ファウスト 2004/03/23 03:55:59 
ふと、この間の迎賓館での会話を思い出す

『・・・ファウスト殿は鎖鎌など使われると面白いかも、な』

ダークネスの言葉
相手の武器、そして自分の装備
「面白い・・・ですかね?」
持っていた松明を切り落とし刀の柄とワイヤーで結ぶ
「鎖の強度に不安がありますけども」
それに鎌じゃ無いですけどねと呟きながらバランスを整える

そして影に隠れて対戦相手を待とうと・・・して考え直して
松明の油の染み込んだ布を千切って部屋にばら撒き着火

「この方が舞台としては相応しいですね?」
赤い光と伸びる影
戦火に焼かれた町の残骸を髣髴とさせる部屋の中で敵を待った
 4553: 選手紹介2:シモン シモン 2004/03/23 13:04:51 
 闇の中でさめざめと泣く蛙が一匹
「迷子になってしまったようケロヨ・・・」
 しかし、どこかからもれ聞こえる声にハッと自分を取り戻す。
「そうだった、おいらは審判。選手紹介がまだ途中だったケロ・・・気を取り直して・・・

続きまして、登場するは【紫雷の舞い手】ASKA!!
 その武器は流星錘!!女性ながら、その魔法と組み合わせた巧みな攻撃に注目ケロ!!

最後に登場するのは【闇騎士】ダークネス!!
 手には暗黒剣・ダークスレイブ!!ガッツオ城門の守護神として、みなさんもご存知。
 その戦闘力もただならぬものが有るでしょう!!」
 4555: 試合開始ケロっ!!:シモン シモン 2004/03/23 13:16:43 
「さぁ、選手も出揃ったケロ!!

 暗黒に身を躍らせ、その力にて闇を照らすか。

 さては、闇に潜み、相手を飲み込む暗闇となるか。

 今から始まる息もつかせぬ闘いを見逃してはならないケロ!!」

そして、暗闇の中から小さくつぶやく
「さて、あとはここからどうやって脱出するか・・・」
 また、さめざめとした泣き声がもれるのはそれから少しも立たないうちであった。
 4599: 目指すもの 1:片 片翼 2004/03/23 21:53:47 
「…闇騎士ダークネス…」

相手も名乗りをあげる。
いつ聞いても静かな強い声は今もやはり変わりもせず。
手にした松明の灯りが無ければすぐに闇に溶けてしまうだろう容姿にも関わらず、其処に確かに在る存在感。

「…いざ…」

松明が床に落ちた瞬間どちらも同時に地を蹴って。
目の前の闇に突っ込む。ひるがえったマントに、一瞬何処までが闇なのか彼なのか解らなくなるような錯覚を覚えたけれど。

「…せえのっ!!」

勢い良く振り下ろしたグレイブは、同じく勢い良く突っ込んで来たダークネス殿の暗黒剣に割とさらりと受け流されて。
 4600: 目指すもの 2:片 片翼 2004/03/23 21:54:14 
勢いだけはあったが為に、左上からグレイブを振り下ろした格好でそのままダークネス殿に左半身をさらしてしまう。

「…勢いが良いのも、時には考え物だ…」

左の耳元で聞こえた静かな声にびくりとして、慌ててもっと右に飛ぶ。距離を取って、死角になっていた方に急いで振り向けば矢張りそこには闇騎士の姿。

『…先日闇騎士殿に指摘された通りの展開だよ、主殿…』

精霊が虚空で溜息を吐く。
解っている、自分より速い相手に死角に入られたらと、その言葉は今も心にあるのに。…長い間の戦いの癖が抜けない。どうしても突っ込んで薙ぎ払って…。

「…解ってる!!」
 4601: 目指すもの 3:片 片翼 2004/03/23 21:54:36 
虚空に怒鳴ってもう一度グレイブを構える。
単純だと解っている、しかも馬鹿だと解っている。
その上で、また駆け出す。

『…主殿…無鉄砲の効く相手では…』
「…五月蝿い!!」

そしてそのまま突っ込んだ。
けれど今度は薙ぐのではなく、…体ごと突っ込んでの、「突き」。

教えられたそのままで、しかも教えてくれたのは目の前の彼だけど。

それだからそれは的確な戦法の筈で。

…今まで誰にも教わらなかった教えて貰わなかった、戦う術。
…少しでも前に進む為の、力。


(TurnEnd
 4622: 喝:ダークネス ダークネス 2004/03/23 23:43:38 
松明が落ちると同時に、地を蹴る2人の戦士。隻眼の少年は、闇騎士めがけ勢いよくグレイブを振り下ろす。
だが、闇騎士はそれを軽く左に受け流し、右前に踏み込んだ。
そこには、少年の無防備な左半身…左目の見えぬ彼には、完全な死角。

「…勢いが良いのも、時には考え物だ…」

何を思ったか、闇騎士は手を出さない。耳元でボソリ、と呟くだけ。
その声に反応し、少年は慌てて間合いを離す。

『…解ってる!!』

誰かに向かって言ったのか、はたまた自分に言い聞かせたのか…いずれにしろ、少年の声には動揺が色濃く出ている。
闇騎士を見据えると、少年はそのまま身体ごと突っ込んで来た。
 4624: 喝2:ダークネス ダークネス 2004/03/23 23:45:00 
『…五月蝿い!!』

そう叫びつつ、少年は身体ごと突きを入れてくる。
『チャージ』と呼ばれる攻撃で、威力は高い。だが…

「…そんなのが、当たる訳なかろう…」

素早く横にステップし、造作もなく避けると、剣の腹で背中を叩きそのまま押し出す。
少年は勢い余って踏鞴(たたら)を踏み転びそうになるが、なんとか踏みとどまり振り返る。

「そんな“崩し”も“揺らし”もない大雑把な攻撃を誰がしろと教えた!?俺は、無謀に突っ込め、と教えたか…?勇気と無謀を履き違えるな、馬鹿者!」
 4625: 喝3:ダークネス ダークネス 2004/03/23 23:45:53 
少年に剣を突きつけ、語気鋭く一喝する。
彼を良く知る人間がそれを見たら、驚くだろう。この男が語気を荒げる事など、滅多にないのだから。

「…貴公の持つ力の全てを出して、挑んで来い…だが、ただ闇雲に突っ込むだけでは、俺の身体に一太刀をも浴びせるのは不可能と知れ…」

言って、剣を持った右手を真横に振る。
刀身は、闇に溶け込みほとんど見えない。

「…貴公の敵は、この暗闇だけではない…貴公自身の“闇”もまた、敵…己が心をしっかり持たねば、この刀身の如く、闇に呑まれるぞ…」
 4633: 青嵐 1:片 片翼 2004/03/24 01:02:32 
「勇気と無謀を履き違えるな、馬鹿者!」

振り返った途端に声が文字通り叩き付けられて。
そのまままた突っ込もうとした足が止まった。
戦っているにも関わらずきょとん、としてしまって、言葉の意味は後から理解した。
それほどに、吃驚した。ガッツォに来てから、迎賓館に出入りし始めてからもう随分になって、目の前の闇色の騎士とも何度と無く会話もしていたのに、…怒鳴る彼を見たのは、初めてで、それだからもう、吃驚した後に頬が朱に染まるのが、解って。

無様な戦いなんてしたくない、兄様に会わせる顔が無い。
 4634: 青嵐 2:片 片翼 2004/03/24 01:03:21 
ずっとそう言っていた言葉の裏に、…無様な戦いなんてしたら、せっかく戦い方を教えてくれたこのひとに申し訳が無いという思いがあっただなんて、今更言える訳も無いけど。

すう、と、闇色の剣が突き付けられた。
ぞくりとする程暗いその刀身の色に心が惹かれる自分が居る。

「…貴公の持つ力の全てを出して、挑んで来い…だが、ただ闇雲に突っ込むだけでは、俺の身体に一太刀をも浴びせるのは不可能と知れ…」

普段通りの、声。
けれどいつも以上に心に響く。
グレイブを握る手にもう一度力を込める。深呼吸をして、真っ直ぐに闇色の騎士を見る。

横に振られた暗黒剣は、闇に溶けて松明の灯りも届かない。
 4635: 青嵐 3:片 片翼 2004/03/24 01:04:52 
「…貴公の敵は、この暗闇だけではない…貴公自身の“闇”もまた、敵…己が心をしっかり持たねば、この刀身の如く、闇に呑まれるぞ…」

やだなあ。
如何してこの兄弟は、人の心が解るのだろう、見えるのだろう。
心の傷、決して誰にも触れなかった近付かなかった、あの日。必死に作り上げた壁をいとも簡単に叩き壊して、人の心に入って来た兄様。
そして、心の傷に囚われ続ける俺の、どうにも後ろ向きな部分をあっさりと指摘して、強く厳しく優しい言葉で叩き直してくれる、このひと。

戦い方を、習おうかと思った。
 4637: 青嵐 4:片 片翼 2004/03/24 01:07:12 
でも兄様のような力に任せた戦い方は出来なかった。かと言って、…ただ兄の弟だからと言って、目の前の騎士に教えを乞おうなんて自分が許せなかった。

だから嬉しかった、この人が俺の戦い方に指摘をくれた事。

「…まだ、呑まれる訳にはいかん…」

ぎゅ、と、床を踏みしめる。

「…いつか闇に喚ばれる身であっても…、まだっ…」

記憶を探る、迎賓館で話した夜。
”崩し”ってなんだっけ、”揺らし”ってなんだっけ…。

「…まだここに、…ここに居るんだ!俺は!!」
 4638: 青嵐 5:片 片翼 2004/03/24 01:07:45 
(…揺らしとは、精神的・間接的な行動で相手の体勢を崩し隙を作ることだ…)

言葉が脳裏に浮き上がった、その瞬間。

「…水の上空の下! …はばたきすら地に落ちて其処は二度と望まぬ大地!!」

松明の火が揺らぐ、風が巻く、闇色の騎士のマントが舞う。

「…其れは望み報い叶わぬ心! なればけして凪ぐ事無い嵐!!」

詠唱と共に数発の鎌鼬が床すれすれに闇騎士に向かう。其れだけではまだ足りない、解っている。
風が吹く、鎌鼬と同時に俺は駆け出していて。

闇色の騎士が構えたその瞬間。
 4640: 青嵐 6:片 片翼 2004/03/24 01:08:07 
松明の灯りが一瞬消えかけ…そして、また戻る。

「…いくぜっ!!」

天井を蹴る。
松明が消えた一瞬の内に俺は天井近くまで舞い上がって、天井を蹴った勢いでまたチャージの姿勢。
揺らし…足元の鎌鼬と頭上からのグレイブ、それがちゃんと揺らしになっているのかは解らなかったけれど。

精霊が笑うのだけ、ただ聞こえた。




(TurnEnd
 4655: 対峙1/対苺:ASKA ASKA 2004/03/24 03:08:23 
流星錘を壁や天井に当てながら、先の見えない道を進む。
錘を当てることで、道幅や天井の高さを測り、頭に入れる。

「さてー、苺のことでしょうから、あちらからは来そうにないですし、どこかで待ち受けているんでしょうね…きっと」

更に歩く。目的もなく歩いているものだから、もう何処からどうきたか覚えていない。

「ふぅ…少し休みましょうか…。本当この遺跡、広いですわねぇ」

呟きながら、ふと気になって更に先の道を見つめる。
何か違う空気が流れているような気がする。

「何か………燃えている?」

それまでの乾いた空気とは違う。
 4656: 対峙2/対苺:ASKA  ASKA 2004/03/24 03:08:56 
「………呼ばれているみたいですね」

一瞬考えて、走り出す。
風のように、飛ぶように走る。
きっとこの先には、見慣れた相手が待っている。

そういえば、手合わせは初めてでしたね…

ネバーランド大陸に来た頃からの知り合いで、一時期は上司だったこともある男が相手。
それも正攻法では攻略出来そうもない相手でもある。

しかし…
 4658: 対峙3/対苺:ASKA ASKA 2004/03/24 03:09:20 
「一度は正面からぶつかってみたい…」

何も考えず、ただ本能のみでぶつかってみるのもいいかもしれない。
あまり考え過ぎても、相手に読まれる可能性が高い。

道の奥に、赤い炎が見え始めた。
そしてその炎の間に見えるのは、青い髪の男。

更に走るスピードを上げ、そのまま炎に突っ込む。

「苺ー!!参りますわよ!!」

相手の懐まで飛び込み、狙うは、腹。
素手では威力もないだろうけれども。
 4659: 最初の接触/対ASKA:ファウスト ファウスト 2004/03/24 03:26:43 
微かに足音が聞こえる
そして部屋へ飛び込む影と声

「苺ー!!参りますわよ!!」

炎のを撒き散らすように疾風の如く此方へ向かって来るASKA
「来ましたか!ASKAさん!」
苺と呼ぶんじゃありません、と付け加えながら構える

(早い!)

予想を遥かに上回る・・・視界の悪さも相まって余計に早く感じる・・・スピードで迫るASKA
(思ったよりも鈍ってますか!私は!)
心の中で毒づいて覚悟を決めて
そんな間にあっさりと懐に入り込まれて腹部に衝撃が発生した
 4661: 最初の接触/対ASKA:ファウスト ファウスト 2004/03/24 03:39:37 
しかしその衝撃は想定していた物より、軽い
「素手?何の冗談ですか・・・ASAKAさん?」
込み上げる吐き気を堪え呻く様に早口で呟いて背後に跳ぶ

「次はこちらの番、ですね!」
叫び左腕で擬似鎖鎌の松明、いや分銅が付いた側を横殴りに大きく振り回す

分銅はASKAの大きく後方にある
ASKAと接触するのは刀の柄と分銅を結ぶワイヤー・・・

つまり狙うのは・・・捕獲
 4662: 接触/対ASKA ファウスト 2004/03/24 03:50:10 
ワイヤーはASKAと接触するとくるくると巻きつきASKAを拘束する
しかし其処で動きを止める
「OSAKAさん、初手でいきなり手加減と言うのは」
笑顔で名前を態と間違えて
しかも以前ある奇人さん・・・もっとも本人は否定するだろうが・・・にそう呼ばれて嫌な顔をしていた名前で呼んで

自分は人好きのする笑顔と信じて疑わない、しかし見る相手によっては何故か怖い、と評される笑顔で
「私は軽く見られているのでしょうか、ね?」
確かに最近運動不足ですけどねーと言いながら思い切り左腕を引き寄せる

そして

「いきなり必殺!吼えろ竜爪斬!」

衝撃波がASKAに向かって放たれた
 4668: 攻撃1/対苺:ASKA ASKA 2004/03/24 05:22:03 
「素手?何の冗談ですか・・・ASAKAさん?」

ぴく
こめかみがひくつく。

「いーちー………っ!!」

低い声で後ろに跳んだ相手に迫ろうとした時、相手が左手に持った鎖鎌のようなものを大きく振った。
あっと言う間にワイヤーに体を拘束される。
しまったと思う間もなく、攻撃される…かと思いきや、相手はそこで一旦動きを止めた。

「OSAKAさん、初手でいきなり手加減と言うのは」

………ぷち
何かが切れた音がした。
小さいがはっきりとした音で。
拘束されながらも、わなわなと体を震わせる。
 4669: 攻撃2/対苺:ASKA ASKA 2004/03/24 05:22:34 
「手加減なんかしてるわけないでしょう…苺相手に。悪かったわね。非力で…そして………」
ブツブツと聞こえるか聞こえないかという程度の声で呟いている。
そしてよりいっそう、体を震わせたかと思うと、

「わーざーとー 間違えるなーーー!!」
「いきなり必殺!吼えろ竜爪斬!」

同時に声が上がった。
声を上げたと同時に流星錘の錘に回転を加え、相手に向かって放つ。
相手は同時に、衝撃波を放っていた。

衝撃波をもろに食らいながらも、心の中で呟いていた。


いつか絶対、城の白薔薇を根絶やしにしてやるっ!

…と。
 4729: 光:ダークネス ダークネス 2004/03/24 23:30:21 
闇と静寂の空間に、闇騎士の声が静かに響く…
その言葉に、少年は言葉を失いうなだれる…

『…まだ、呑まれる訳にはいかん…』

俯いた少年の口から、言葉が発せられる。
まるで、勇気を絞り出すかのように、己を奮い立たせるかのように、自分に言い聞かせるかのように…

『…いつか闇に喚ばれる身であっても…、まだっ…』

少年は顔を上げると、闇騎士を睨み据える…
先ほどまでにはない光が、その眼に宿る。

『…まだここに、…ここに居るんだ!俺は!!』

身体に、グレイブを握る手に、力が漲っていく。

(…迷いを振り払ったか…それでいい…)

闇騎士の微かな微笑みは、しかし、暗闇によって見えなかった…
 4730: 光2:ダークネス ダークネス 2004/03/24 23:35:49 
少年の口から『力ある言葉』が発せられる。
風が流れると同時に数条の鎌鼬が発生する。
同時に駆け出す少年。身構える闇騎士。
次の瞬間、少年は地を蹴って天井まで舞い上がると、体を反転させ天井を蹴ってダイブしてくる。

「ほう…なるほど…」

少年の意図を理解すると、闇騎士は脇に構え眼を瞑る。
息吹を上げると、眼を見開き腰溜めに構えてた剣をそのまま地面を削るように横に薙ぐ。

―――ブオォッ!!―――

マントが勢いよく翻る。同時に剣先から発生した衝撃波は地を走り、鎌鼬をことごとく相殺する。
闇騎士は流れるような動作で剣を頭上へ掲げると、今まさに己を貫かんとするグレイブの穂先を剣の腹で受け止めた。
 4731: 光3:ダークネス ダークネス 2004/03/24 23:36:15 
―――ッヅ、ギィィン!!―――

金属と金属がぶつかり合う、激しい音が辺りに響く。
まともに受けたのでは、流石に受けきれない。人一人分の体重が掛かっているのだから。
だが、闇騎士は受け止めたのではない。受け流したのだ。
力のベクトルを逸らされたグレイブは、剣を伝うように地に刺さる。
そのまま、横に跳躍し間合いを離す闇騎士。

「…今のは中々、だ…さっきまでの攻撃が0点だとしたら、50点、と言ったところか…」

少年に向かい、言う。本当は、誉めてもよいとも思ったが、あえて辛口の評価を口にする。

「…まだ、終わりではなかろう…?さあ、次は何をしてくれる?」
 4740: 音 1:片 片翼 2004/03/25 02:45:43 
手が痺れる。
石畳に勢いそのまま突っ込んだからまあ割と当然なんだけど。
それにしても悔しい、矢張り回避された、しかも割とあっさり。まあ、自分の作戦なんて通じない相手だと解っていても、矢張り悔しい。

悔しいと思う心、忘れたらいけないと己に言い聞かせて。
床に刃が半ば突き刺さったグレイブを力ずくで抜く。対峙する闇騎士は、余裕の構え。

「…今のは中々、だ…さっきまでの攻撃が0点だとしたら、50点、と言ったところか…」

0点…いや確かにものすごく単純に突っ込んだけれどもっ!と、心で叫びつつ、口には出さない。ただ視線だけ闇騎士から離さずに、少うし痺れた手でグレイブを握って。
 4749: 音 2:片 片翼 2004/03/25 03:09:48 
「…まだ、終わりではなかろう…?さあ、次は何をしてくれる?」

無表情、なのに怖い。
怖いけど、楽しいのは…嬉しいのは、この体に流れる闇天使の血故か、それとも心に眠る暗く深い記憶故か。
わからない、けれど。

「…せえのっ!!」

突っ込んで、連撃。
左から右へ薙ぐ、でも流されて、だけど死角に入られないように右から上へとまた薙いで。早さに任せて繰り出す攻撃。ダメージは与えられない、だけどそれはそれで良い。

「…これで、崩しのつもりか…?」

流しつつ呟くような闇騎士の言葉に、にやり、と笑う。
 4750: 音 3:片 片翼 2004/03/25 03:10:05 
(…崩しとは…直接的な行動、例えば剣を叩きつけるなどして相手の姿勢を崩すこと…)

思い出した声は目前のそれと同じ静かな声。
けれど崩しなんて、力の強い兄様ならまだし、非力な俺が出来るわけも無く。

「…風は吹いた夜は凪いだ、月はただただ笑うだけ…」

連撃を続けながらの、詠唱。耳元で風が笑う、闇色の騎士は動じない、むしろ受け流す剣に力がこもって、一瞬でも気を抜けば押し返されるのは必死で。

「…望みも叫びも何処にも行けず悠久に彷徨するのならば…」

そしてその勢いを使って、一瞬引く。
 4751: 音 4:片 片翼 2004/03/25 03:10:47 
右手を瞬間離して鞄のダガーを抜き取って投げつけて…あ、手が微妙に痺れてて一本タイミングが遅れた…が、それに構わずすぐさま叫ぶ。

「…嘆け! 我は断罪されし者!!」

今度鎌鼬が現れたのは闇騎士の左上、ダガーと鎌鼬のタイミングを合わせつつ、鎌鼬の風を使ってグレイブを渾身の力で暗黒剣に叩きつけるように。

崩す為にこうまでしなければならない自分の非力さが、嫌だ。だけれどそんな事言ってる場合でもなく、…ああダガーが避けられた、…そして闇騎士の腕がまるでゆっくりと動くように見えて、その実しなやかな一撃がグレイブと交差し鎌鼬を薙ぎ払った、瞬間。
 4752: 音 5:片 片翼 2004/03/25 03:11:05 
…パキィィン…。


妙に乾いた音がして、グレイブが折れた。
先端と握り締めている部分の間辺りで、綺麗に。

無茶な使い方をしたのが悪かったのか、そもそも銘も無いグレイブで暗黒剣を相手にしていたのが悪かったのか。


「………………うそぉ…(汗」


(Turn End
 4757: セカンドアタック:ファウスト ファウスト 2004/03/25 03:58:59 
刀より放たれた衝撃波がASKAを襲う
土煙が上がる中追撃をかける為足を踏み出し・・・・・

次の瞬間首筋に何かが這い登るような感覚

(これは・・・不味い!)

『切れろ』と念じた瞬間引き寄せていた左腕のワイヤーが切れる
そして前に進もうとする体を無理矢理捻じ伏せ右へ飛ぼうと筋力を総動員
悲鳴を上げながらも体は意思の力に答え弾かれるように側方へ

しかし次の瞬間には回避が決定的に遅れていた事を悟る
 4758: セカンドアタック:ファウスト ファウスト 2004/03/25 04:13:31 
土煙の中から回転しながら【錘】が現れる

早い

(避け切れない?理不尽な!)
何が理不尽なのかは解らないが脳裏をそんな言葉がよぎる
勘が鈍った事かそれともASKAの攻撃が早かった事か

ゴギッ

鈍い音と共に左肩にヒット
激痛と共に何かが外れる感覚がする

「・・・・・・・・・・・・!」
(思いの外打撃力が・・・強い!)
左肩に衝撃を受けた事により回転する体をそのままに
刀を握ったままで右手の指を二本ズボンの隠しに這わせ
一挙動で手榴弾を引き抜き・・・ピンを抜きながら投げる
 4761: セカンドアタック:ファウスト ファウスト 2004/03/25 04:23:29 
回転しながら地面に激突
爆発音を聞きながら痛む左腕を意思の力で無視し右手一本で起き上がろうと・・・そして止めて後方へ

(判断が遅い、勘が鈍っている、全くどうしようもない)
苦い気持ちで考えながら転がり続けもう一つ手榴弾のピンを抜く

狙うのは・・・ASKAの後方に位置する天井

「OSKAさん怒ると損ですよ?OSKAさん!」

挑発するように叫んで立ち上がる
爆発音を背後に聞きながら向かう先は入ってきた通路
左手が激痛を訴える中・・・疾走を開始した
 4809: 一太刀:ダークネス ダークネス 2004/03/25 22:28:57 
少年は、地に刺さった刃を引き抜き構え直す。
一瞬、身体に力を溜めると、一気に突っ込んで来た。
最初の時と同じ無謀な特攻…ではない。
その眼には、先ほどと同じ光が宿っているのだから。
右から左へ、さらに上へ…更に続く連続攻撃。
だが…軌道が、正直すぎる。闇騎士を捕らえるには、まだスピードも足りない。

「…これで、崩しのつもりか…?」

問う闇騎士に、不敵な笑いで応える少年。

(ほう…何か企んでいるな…?面白い…)

ふと、少年の口が動いているのに気付く。攻撃をしかけつつ、魔法の詠唱をしているらしい。

(む…?器用な事を…)

考えつつ、グレイブを受け流し、思いっきり弾き返す。
 4810: 一太刀 2:ダークネス ダークネス 2004/03/25 22:31:14 
グレイブを弾き返された少年は、その勢いを利用し逆に間合いを引き離す。
が、すぐさまきり返し、突進しながらダガーを投げてきた。同時に呪文の詠唱が終了する。

『…嘆け! 我は断罪されし者!!』

力ある言葉が発せられる。次の瞬間、少年のグレイブの勢いが爆発的に強まった。
眼前に迫ったダガーを首を捻ってギリギリでかわすと、グレイブを剣で受け止める。

―――ギリィィ!!―――

力負けせぬよう、全力で押し返そうとした刹那…

―――パキィィン…―――

乾いた音と共に、折れるグレイブ。
その瞬間…僅か…本当に僅かな時間、闇騎士の体勢が崩れた…
そして、タイミングが遅れて飛んで来る一本のダガー…
 4811: 一太刀 3:ダークネス ダークネス 2004/03/25 22:32:10 
―――ザクッッッ!!―――

体勢を崩していた闇騎士のマントを貫くダガー。
ダガーに絡められるようにマントがはためき、そして地に落ちる。
闇騎士の姿は、無い…

『ど、何処に!?』

首を左右に振り、闇騎士の姿を探す少年。刹那…

「…不確定要素は、予想のしようがない、な…」

不意に、上から声がかけられた。大きく後方に跳び退り上を見上げる少年。
…闇騎士が天井に“立っていた”…
いや、違う…天井に足を付き、蝙蝠のように逆さにぶら下がっていたのだ。
その背には、闇よりもなお昏い、漆黒の翼があった。
 4812: 選択:ダークネス ダークネス 2004/03/25 22:34:05 
闇騎士は脇腹に手をあてがい口を開く。

「一太刀…為したぞ…グレイブが折れたのは偶然であろうが、貴公がつけた傷である事に間違いはない…」

手を少年に見せる。その手には、僅かだが血が着いていた。

―シュタンッ!―

不意に、闇騎士が天井から降り立つ。

「…闇の翼まで披露させられるとは、な…だが…」

一旦言葉を止め、傍らに落ちていたグレイブの穂先部分を拾い、見つめている。

「…頼みの武器は、このザマだ…」

穂先を少年に投げ渡し、さらに言葉を続ける。

「選べ…“これで終わりにする”か、それとも、その折れたグレイブを手に“闘う”か…」

闇騎士の眼は、真っ直ぐに少年の眼を見つめていた…
 4841: 解答 1:片 片翼 2004/03/26 02:40:55 
ぞくりと、背筋が震えた。
闇色の翼を負ったダークネス殿。
その姿を見たのはただ一度…兄様と戦っていた、前回のBFの記録の中でだけ。

「…闇の翼まで披露させられるとは、な…だが…」

天井から目前の石畳へ、静かに降り立つ騎士。折れたグレイブの穂先を拾って見つめる。その姿に先刻から高鳴ったままの鼓動が止まらない。
確かに一太刀…入れられたけど、だけど。

「…頼みの武器は、このザマだ…」

投げ渡された穂先を慌てて受け取る。其処には僅かだが血痕、手から柄に移ったその赤い染み。
だけどまだ納得が行かない。
手が痺れてタイミングが遅れた…そんな結果で付けた傷なんかに満足なんてしない。
 4842: 解答 2:片 片翼 2004/03/26 02:41:25 
俺が目指すのはあの背中。そして目前の闇色の…。

目標は、確かに一太刀。それはまだ変わっていない、から。

「選べ…“これで終わりにする”か、それとも、その折れたグレイブを手に“闘う”か…」

真っ直ぐな視線にどきりとする。
その漆黒に惹き込まれたのはもういつの事か。普段真っ直ぐに見られない瞳、けれど今はそれを逸らさずに見つめて笑う。

「…誰が終わるか…俺はまだ貴方に一太刀も浴びていない」

それが手加減故の行動だと解っている。
けれど自分は馬鹿だから、動かなくなるまで足掻くだけ。

グレイブの穂先を握る。そうしてそれを投げ捨てる、まだ手にしていた柄と共に。
 4843: 解答 3:片 片翼 2004/03/26 02:42:17 
「…俺は選ばない、何も。……俺が選べるのはただ一つ…」

ああなんて不自由な自分。別に良いんだけれど、そうでなければ自分は今ここにきっと居ないから。
俺が俺だからガッツォに来た、俺でなければきっと今…あいつらの隣に居られなかった。

腰のソードブレイカーに手を伸ばす。

「…銘は『煉獄』…暗黒剣には及ばないが…それでも今度はちょっとやそっとじゃ壊れやせん…」

左手で逆手に構える、右手にはダガー…解っている、不利と言われた事も覚えている。
覚えているから、大丈夫だと思いたい。

地面を蹴る。
また鎌鼬をと詠唱を始めようとした…瞬間地面が揺れた。
 4844: 解答 4:片 片翼 2004/03/26 02:42:51 
「………どっか爆破しやがったなファウスト殿っ!」

バランスを立て直しつつ毒づいて、ちらりと見た天井が不安定に揺れていた。
所詮遺跡…耐久度には難がある。

「…疾く!そのようにせよ!!」

短い詠唱で威力も小さな鎌鼬。
それを天井の、揺れている部分にぶち当てる。

思った通りそれは容易く天井からはがれ落ちて。
落下点はダークネス殿からは少しずれている、けれど砂埃で一瞬隙が出来る…と良いなあと思いつつ踏みこむ。

…続いて爆破なぞ起きた日には俺生き埋め確定だろうなあと…いやな予感がするのは無視した。


(Turn End
 4845: 遠慮なしに1/対苺:ASKA ASKA 2004/03/26 03:13:19 
「…ぃ、つぅ………」

正面から衝撃波を食らい、ワイヤーが切れたにも関わらず、体が自由に動かない。
予選よりは防御力の高い服を着て来ていて助かった。
そうでなければ、これでダウンだっただろう。

流星錘に手ごたえはあった。無傷ではないでしょうけれども………
重症とも思えないですね。あの苺のことですし。

何故苺だと重症じゃないのか。良くわからないことを考えながらも、次の行動をどうするか頭を回転させる。
そのとき、

ドォォーン

と、爆発音。
土煙を吹き飛ばし、視界をクリアにする。
なんて無茶をするのか。と思いながらも、
動かない体に鞭を打って、何とか立ち上がり相手を見据えた。
 4846: 遠慮なしに2/対苺:ASKA ASKA 2004/03/26 03:14:02 
相手は転がりながら、何かのピンを抜き、こちら…いや私の更に後方を見つめる。

あれは………

「OSKAさん怒ると損ですよ?OSKAさん!」

ぴくっ
そこで思考は途切れる。
相手は何かをこちらの天井目掛けて投げたかと思うと、奥に見えている通路へ。
追おうとしたところへ、再度爆発音が。
今度は上から。

爆発によって、天井が崩れ落ちてくる。
相手を追う姿勢に入っていた為、反応が一瞬遅れた。
流星錘を岩盤目掛けて打ち込むが…

数瞬後には静寂が訪れた。
 4847: 遠慮なしに3/対苺:ASKA ASKA 2004/03/26 03:14:40 
ガラガラ

崩れた天井の瓦礫から、突然手が出て来た。
更に続いて、背中で瓦礫を押しのけるように、女が出てくる。
流星錘で大き目の岩盤を砕いていた為、何とか助かったようだ。

「ごほっごほっ………苺…もう許しませんわよ…
 これからは遠慮無しに行かせてもらいますわ!!」

今まで遠慮してたのか。と聞かれると、きっとしていないと答えるのだろうが、それはそれ。
女は相手が向かって行った通路に向けて歩き出す。
体はまだ痛むが、動けないほどではなくなっていた。
痛みを感じる余裕がないと言った方がいいだろうか。怒りで。
 4848: 遠慮なしに4/対苺:ASKA ASKA 2004/03/26 03:14:58 
通路の入り口で立ち止まり、先を伺う。
炎の放たれた部屋で、目が明るさに慣れ、薄暗い通路の先を窺い知ることは出来なかった。

一つ、息をつき、印を結ぶ。

「氷舞刃!」

出来上がったのは氷の刃。流星錘の先に。
左手にはダガーを持ち、走り出す。
慎重に。でも速く。
 4850: 罠の回廊:ファウスト ファウスト 2004/03/26 04:23:56 
「・・・ふぅ・・・全く、鈍りすぎ・・・です、ね」
三叉路の前で壁にもたれかかり荒くなった息を整える
(日頃の運動不足・・・)
首を振るって言葉が悪いと考え直し
(日頃の、『訓練不足』が響き過ぎですねー・・・)
汗で張り付いた前髪を右手で掻き揚げ壁を見据えて
「いっ・・・・・つ・・・脱臼か・・・少し荒っぽいですが」
目を閉じて息を止めて
「せぃ、やっ!」

思いっきり左肩を壁に打ち付けた

(〜〜〜〜〜〜!!!!)
脳天にまで響く激痛と共に確かに嵌った感触
しばらく痛みに蹲った後、ワイヤーを巻きつけて固定する
試しに指先を動かしてみると一応動く・・・痛むが、とても
 4851: 罠の回廊:ファウスト ファウスト 2004/03/26 04:37:12 
三叉路の前で来た道を振り返る
曲がりくねった長めの一本道
ASKAが追って来るならばこの道しか無い筈
其処には5つの爆破の罠
しかし遺跡を全破壊する訳にはいかないので一斉爆破とはいかず
「まぁ抜けて来るでしょうねー・・・困った話だ」
(・・・生き埋めにしてしまいますか?)

一瞬頭を掠める思考
遺跡の強度を考えた逃亡ルートは勿論、確保してあるから自分は安全なのだが
「いやでも一応女性ですしねー・・・ASKAさん」
男性ならば良いのか?と思われそうな呟きだが
(覚悟を決めますかねー・・・大怪我する)
痛いの嫌いなんですけどね?と呟いて三叉路へ向かった
 4852: 罠の回廊:ファウスト ファウスト 2004/03/26 04:56:08 
三叉路の前に立つ
奇妙な絵がそれぞれ描かれた分かれ道

右にあるのは天を舞う天使の絵
左にあるのは地でもがく人の絵
そして真中の絵は・・・

「天と地の争い・・・ね」
流石遺跡ですねと呟き悩む
少し悩み右の回廊を爆破する
残りの手榴弾は一つ
「次の接触が最後ですねー・・・これは」
そして真中の道へ進み気配を絶つ

魔力は有っても操る力に乏しい私が選んだ隠陰術
ただ気配を絶つだけの代物で潜んでいる間は全く体を動かせない不便な物ではあるものの視界が効かないのであれば十分
(さて、少しの時間休ませて貰いますか)

ASKAを待つ
戦いに備えて
 4898: 決意:ダークネス ダークネス 2004/03/26 21:59:56 
「選べ…“これで終わりにする”か、それとも、その折れたグレイブを手に“闘う”か…」

静かな声が響く。闇騎士の視線を、少年は眼を逸らさず見つめ返し口を開く。

『…誰が終わるか…俺はまだ貴方に一太刀も浴びていない』

少年は、手にしていたグレイブの穂先と柄を投げ捨て、更に言葉を続ける。

『…俺は選ばない、何も。……俺が選べるのはただ一つ…』

言ってソードブレイカーとダガーを引き抜く少年の眼は“闘う意志”に満ち溢れている。

(…なるほど…だが、この後も同じ事が言える、か…?)

闇騎士は静かに剣を構える。
 4899: 決意 2:ダークネス ダークネス 2004/03/26 22:01:12 
少年が動きを見せる。その刹那、地面が揺れ遠くから爆発音が聞こえて来た。
どうやらもう片方が派手にやっているらしい。

(…破壊魔は、ヤツだけではなかったか…)

爆発に少年は一瞬気を取られるが、すぐに行動に移る。鎌鼬を天井に当てると同時に踏み込んで来た。

「…相手に冷静に対処される事をしても“揺らし”にはならぬぞ…せめてこのくらいやってみせよ…」

言って手をかざす闇騎士。その掌に雷が生まれる。バチバチと音を立てる雷は球状のエネルギー体となり更に激しく音を立てる。
その雷球を、闇騎士は手を上に振り上げ天井に叩き付けた。

―――ズ、ゴォォン…―――

激しい音と同時に、天井が更に崩れて来た。
 4900: 決意 3:ダークネス ダークネス 2004/03/26 22:01:38 
同時に、今度は左手を下に向かい一振りする。

―――ブアァッ!!―――

烈風が埃を巻き上げる。
同時に闇騎士は気配を消しつつ、地を滑るように移動する。
翼を出している時のみ可能な歩法…
実際には地面スレスレを滑空しているため、厳密には歩法とは言わぬのかも知れんが。

「…元々、条件的に俺が圧倒的に有利だった…卑怯とは言ってくれるなよ…」

そして、何時の間にか手にしていたニードル・ダガーを両手両足に狙いを定め、投げつけた…
 4909: 奥の手 1:片 片翼 2004/03/26 23:34:02 
轟音が響く、なんだ結構過激なんじゃないかと笑って、突っ込む。
けれど先刻まで居た筈の場所に闇騎士は既に居なくて、気配すら無い、…嗚呼、本気だ。

耳を頼りにしたくとも、轟音が全てかき消して。

『…主殿、避けろ!』

精霊の声にその場を蹴る。
何の事か解らなかった頭に痛みが理由を知らせる。
右の太腿をニードルダガーがかすった、右肩に突き刺さったもう一本を力まかせに引き抜く。焼けるような痛みに眉を顰める。

「…光栄と言うか何と言うか…」

まあ瞬殺されてないだけマシ、と言う事にして。

『…ここは大気の揺れぬ場所…主殿、我であってもここでは闇騎士殿が近付かねば居場所は解らぬ…』
 4910: 奥の手 2:片 片翼 2004/03/26 23:36:10 
深呼吸。

「…ダガー飛んで来たら言え…なるべく避ける…」

精霊に、無理を言って。

「…天神地祗…」

音一つ無い闇にひとり。

「…辞別けては産土大神…神集嶽退妖官神々…」

右手を左手をゆっくりと振って、風がそれに合わせて動くのがよく解る。
隙だらけ、それも解る。

『…主殿、…右に三歩避けられよ…』

言われた通り、動く。
耳に綺麗な風を切る音。
けれど動くのが三歩だなんて、…伺っているのか、こちらを?

出来の悪い生徒で悪いね、まったく。
 4911: 奥の手 3:片 片翼 2004/03/26 23:36:38 
「…この霊縛神法を助け給え…」

自分の声と風の音、静かな闇に、目眩する余裕も無く。ただ助かるのは、口訣と導引というリスクさえ払えば成立するこの魔法の簡単さ。
魔力が無い俺の魔法は、リスクを差し出す事で威力が決まる。だから呪文も何だって良い訳で。
まあそれにしてもちゃんぽんし過ぎだけどさ。

「…困々々…至道神勅急々如塞道塞結塞縛…っ…!!」

『…主殿…後ろに…』

下がれない、もうあと一言で、成立する!

風が乱れる、砂埃が舞う。
闇の中、見えないけれど 嵐、が…。

「…不通不起…っ!! 縛々々律令っ!!!!!」

横腹を貫いたダガーの痛みに意識を一瞬失いかけつつも、叫ぶ。
 4912: 奥の手 4:片 片翼 2004/03/26 23:37:23 
空気の爆発、鎌鼬。
それは今までの牽制程度のものとは比べ物にもならない威力。

片翼はそれを、対一個人でなく部屋を対象として解き放った。
この部屋からは出ていない、筈…だから。

「…流石に俺も無傷じゃねえけど、さっ…」

頬を、そして血が流れる肩を腹を自分が放った鎌鼬に斬られつつも、片翼は笑う。

「…これが今は精一杯…、…もう余力なんざねえっ!」



(Turn End
 4946: 決断と破壊1/対苺:ASKA ASKA 2004/03/27 03:55:25 
細く曲がりくねった道を、奥へと向かって走る。
走りながらも神経を集中させ、相手を逃さぬように。
曲がりくねった道の為、壁にぴったりとくっついて潜まれていると、見逃す可能性がある。
相手の性格などを考えると、何処かに潜んでこちらが来るまで待っているだろう。

「?………っ!!!」

何か違和感を感じ、立ち止まろうとした次の瞬間、体は既に宙を舞っていた。
爆破のトラップ。
相手ばかりを意識していて、トラップを仕掛けられているなど考えもしなかった。
短時間でそれだけのものを仕掛けられるとは、思っていなかったというのもあるが。
 4947: 決断と破壊2/対苺:ASKA ASKA 2004/03/27 03:56:23 
なんとか体勢を整えて、地面に激突だけは免れたが、あちこち焦げたり傷が出来ていたりで、全くダメージなしと言う訳には行かなかった。
今更ダメージが増えたところで、大きなダメージでない限り気にならないのだが。

これ一つだけなら良いのですが…
まだ何かあってもおかしくないですねぇ

爆破トラップの1、2発程度なら凌げるだろう。
しかし刃物でも飛んでこられれば、かなり危ない。
念には念を入れておいた方がいいかもしれない。

女は手を合わせ、
「天と地を結び翔ける流星 我が星に吉兆を 彼の者の星に凶兆を!!」

手を上に突き出し、更に声を上げる。

「奏舞 流星!!」
 4948: 決断と破壊3/対苺:ASKA ASKA 2004/03/27 03:56:45 
更にその場で回転しながら、舞う。

「演舞 水華円!!」

水のベールが体を包み守る魔法。
大技でなければ、これでいくらか凌げるだろう。
あまり長くは持たないが。

何処まで道が続いているかわからないし、トラップがあるとは限らない。

魔力はまだ持ちますが…これ以上攻撃受ければ体力が心配ですしね

道の奥を見据え、息を整える。
一呼吸置いて、走り出した。


走り出した途端、爆風で体を押し戻されそうになる。
肩で空気を切るような体勢で、足に力を入れ、突破する。
更にそれが3度。
分かれ道に出た時には、防御魔法の効力も切れ、息を切らせていた。
 4949: 決断と破壊4/対苺:ASKA ASKA 2004/03/27 03:57:11 
出てきたのは三叉路。
ただし、右の通路はふさがれていた。
相手が崩したのか、別の原因で崩れたのかは定かではないが。
他の二つの通路も奥は暗く、どのようになっているかを窺い知ることは出来ない。

「さて…どうしますかねぇ。
 左か真中か。もしくは…この瓦礫を吹っ飛ばして右に進むか…」

さらっと過激なことを言いながら、少し悩む。
それぞれの道の壁に目を移すと、左には地でもがいているように見える人。真中には、争い事をしている人々。が描かれていた。

「もがく人と戦争ですか…。奇妙な絵…」

絵が関係あるのかはわからないが、相手も同じ物を見ているはず。
この絵を見て、どっちに行ったのか…。
 4950: 決断と破壊5/対苺:ASKA ASKA 2004/03/27 03:57:38 
暫くじっと絵を見つめていたが、首を振り息をつく。

「苺が考えることなんて、わかりもしないですし…
 なら、こちらに来るように仕向けるしかありませんわー」

最後に付け加えた一言で、この女はいつもの穏やかな女いうことがわかる。

「大きな音でも立てれば、出てくるでしょう
 ここ、潰さない程度で済めばいいですけれども」

そう言うと、軽くステップを踏み踊り出す。
あちこち黒焦げていて、見栄えは良くなかったが。

「演舞 縛風篭!」

狭い空間に、女を中心として竜巻のような物が出現する。
普段は敵の動きを制限するものだが、「流星」によって魔力ブーストがかかった状態で出すと、とてつもない威力になる。
 4951: 決断と破壊6/対苺:ASKA ASKA 2004/03/27 03:58:03 
竜巻は大きさを増し、通路の壁や天井を容赦なく削り、飛ばす。
大きな音を立てながら、遺跡の一部が崩れていった。


風がやんだ時には、女の周りは瓦礫の山となっており、空からは明るい日差しが。

「苺がこそこそするから悪いんですよー?」

さりげなく人のせいにしながら、印を結び「氷舞刃」で、流星錘の錘の刃を強化させる。
刃というよりも、トゲつきの鉄球のようにも見える。

「苺、覚悟なさいね」

にっこりと微笑んだ。
邪気のない笑みで。
 4982: 最終章への序曲:ファウスト ファウスト 2004/03/27 14:11:57 
遺跡全体で幾度と無く破壊音が響く
爆発では無く、破壊の音
「皆無茶してますねー修復する労力考えてないのでしょうか」
自分の事は棚上げにして呟きながら考える
残る手榴弾は一つ
武器も刀と・・・・・・・
「まぁ、何とかなるのでしょうかねー・・・」
来た道から爆発音
そして
「あ、決定的な一撃しましたねーASKAさんでしょうか」
遺跡全体が歪むかのような感覚
「人が折角限界まで行かないように爆破してたのに」
ため息を付いて壁を殴りつける
すると壁が倒れて上へ向かう階段が現れる
「地上での戦いをお望みと言う訳ですか、ね?」
そして崩れる通路から脱出を始めた
 4983: 最終章への序曲:ファウスト ファウスト 2004/03/27 14:30:43 
続けて三発の爆発音・・・自分がかけたトラップだ
そして先程から振動が頻発している
もう一組の方も中々派手に破壊しているようで
「態々強度を考えて壊していた意味が無さそうですね」
外壁に穴を開けるか強い一撃を与えるか
「全部とは言わないまでも一部は確実に崩れますねこれは」

そして大きな振動
「あー・・・これは、往きますね」
近くでの破壊音
外壁に穴を開けたのであろう天井が歪んで見える
「仕方ない。脱出しますか」
そして右手の壁を殴りつける
すると壁が倒れ・・・上に向かう階段が現れた
 4984: 最終章への序曲:ファウスト ファウスト 2004/03/27 14:37:29 
地上に出ると先のほうに大穴と竜巻
「うわ、無茶してますねASKAさん」
竜巻が収まるまで待って見たが出てはこない
「あくまで遺跡の中で対決?崩れ始めてるのですけどねー」
そして瞬間的に浮かぶ情景

「崩れ落ちる中の決闘。浪漫ですね」
呟いた瞬間、行く事は決まった

「盾たる剣の名の下に」
呟いて意識を針のように研ぎ澄まし、更に更に更に集中する
時間の流れが淀みだし周辺の色が消え始める
雑音も聞こえない、必要ないからだ

『意識の高速化』

懐から白薔薇を取り出し穴に投げ込み・・・

一拍置いて自分も飛び込んだ
「推参ですよ!ASKAさん!」
 5000: 最後の舞1/対苺:ASKA ASKA 2004/03/27 20:06:39 
ガラガラと音を立てながら、遺跡の一部が崩れていく。
少しずつではあるが、この一帯は崩壊への道を歩んでいる。

その中に佇んでいる女。
天井にあいた穴からの光を受け、一人。
動く様子はない。

そのとき、一瞬空からの光が遮られた。
天井にあけた穴から、人。
その前に、何か飛んでくる。
飛んできたものを、長い袖で払い、迫って来る人物には、流星錘を向ける。
逆光でその人物が誰であるか確認は出来ないが、間違いなく相手の男性であろう。

流星錘を相手に向けながら、バックステップで相手との距離を取り、懐からヒョウを取り出した。
 5001: 最後の舞2/対苺:ASKA ASKA 2004/03/27 20:07:01 
両手で数本のヒョウを相手に向かって投げつけ、そのまま回転し、舞を舞う。
間で何度かヒョウを投げ、牽制しつつ、袖を見ると白薔薇が。

「白薔薇ですか。白薔薇の花言葉って知ってますー?
 尊敬らしいですよ。
 苺に尊敬されても嬉しくともなんともないですけれども」

実はもう一つ。「私はあなたにふさわしい」という花言葉もあるが、ふさわしいとか言われてもーと言った感じなので、この際無視する。

「いつか貴方のお城の白薔薇を、全部紫に染めて差し上げますわーv
 紫の薔薇の花言葉は、気まぐれな美しさ
 私にぴったりでしょうー?」
 5002: 最後の舞3/対苺:ASKA ASKA 2004/03/27 20:07:26 
意味がよくわからないことを言いながら、舞を舞いつづける。
既に完全に切れて頭が回っていないようだ。

舞っている間にも、周りはどんどん崩れていく。
何もしなくても、後少しでここも瓦礫の山となるだろう。
このまま居れば、生き埋めになる可能性があるということすら、今の女の頭にはない。
無いがゆえに、全力で、遠慮無しに戦える。
見えているのはもう、相手だけで。その他は見えないし聞こえない。
崩れ行く瓦礫の音も、空からのまばゆい光も。
もう、本能で戦うのみ。

用意していたヒョウが切れ、懐にあった別のものを投げつける。
ソレは、奇妙な声を上げながら、相手に向かって行った。
 5003: 最後の舞4/対苺:ASKA ASKA 2004/03/27 20:07:45 
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさーーーい」

パンダのぬいぐるみが、口をパクパクさせて相手に迫る。

パンダとは少し違う角度から、今度はダガーが飛ぶ。
軽めのダガーとは言え、ヒョウを投げるようには行かないはずだが、勢いはヒョウとさして変わらないように見える。

女はダガーを投げた後に、動きを止め、ぱんっと手を合わせた。
そしてそのまま、ダガーの後を追い、相手に突っ込む。
ダメージを負っているとは思えないスピードで。

「大いなる神 雷神 我が声に答え舞い降り給え!
 我が名は紫雷 主の側にあるもの 也!」
 5004: 最後の舞5/対苺:ASKA ASKA 2004/03/27 20:08:02 
右手が光だし、パチパチと音を立てる。

「乱舞 闇雷來!!」

落ちてくる雷は、容赦なく遺跡を破壊する。
そして右手には、大きな球体。
ソレを相手に向けて突き出す。
当たれば、自分も無傷ではいられないほどのエネルギー。

「我が名は紫雷!!覚悟なさいませ
 ファウストさまっ!!」
 5037: 舞踏会:ファウスト ファウスト 2004/03/28 02:46:33 
主観的には長く
客観的には一瞬で地面に降り立つ
ゆっくりと軌跡を残しながらこちらへ向かってくるヒョウ

『右に一歩』
『左足を添わせながら状態を30度捻り』
『一本目が側面を通り過ぎた所で右足を交差させるように左へ』
『上体を反らしながら右へ』

それは踊りを踊るように
その場でステップを踏み、流れるように動き

『拾って置いた石を指弾にしてヒョウに当てた後右へ』
『膝を20cm屈伸させて首を左へ20度捻る』

最小限の動きでヒョウを避ける
可能にしているのは高速化された意識
だが・・・・
 5039: 舞踏会:ファウスト ファウスト 2004/03/28 02:57:38 
頭にチリリッとノイズが走る
そのノイズはあっと言う間に増殖し・・・
(持たない・・・ですかね!)
頭が激しい痛みを訴え始める
(前は一分近く持ったんですけどね!10秒持たないってちょっと鈍り過ぎです)
苦々しく毒づき解除する
続けてブラックアウトなどという事になったら目も当てられない

「紫の薔薇の花言葉は、気まぐれな美しさ
私にぴったりでしょうー?」
戻った時間と色の中
飛び込んでくる【無駄な情報】とされてたASKAの声

「それはプロポーズか何かなのでしょうかね?私に貴方色に染まれと言う?」
ヒョウの一本を刀で弾きながらへらず口

すると次は・・・奇妙な物が飛んできた
 5040: 舞踏会:ファウスト ファウスト 2004/03/28 03:03:12 
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさーーーーい」
それはパンダのぬいぐるみ

(危険だ!)
それを見た瞬間。

一瞬にして言い知れぬ恐怖に支配された私は一つの決断をする
(切り札だったんですけどね!)
刀を落として右手をぬいぐるみに向かって差し出す
そして肘を伸ばす

シャキン

軽い音と共に手のひらに収まる一丁の拳銃
タタタッっと軽い音と火を友に弾丸が生まれ・・・
ぬいぐるみを打ち落とす
しかしその体勢では当然ダガーまでは手が回らない
ダガーは右腕に突き刺さる

そして・・・
 5041: 舞踏会:ファウスト ファウスト 2004/03/28 03:14:28 
右手に雷を宿したASKAが肉薄してくる

「我が名は紫雷!!覚悟なさいませ
 ファウストさまっ!!」
右手を突き出して来るASKA
反応して右に一歩、半身になり避けようと・・・
(ぐっ!)
ダガーの刺さった右腕が痛み一瞬動きが遅れ

その遅れは当然致命的な物となり・・・光球が体を掠める

全身を馬鹿馬鹿しい程の衝撃が走る
一瞬にして全ての骨が砕かれ肉をすり潰されたかのような感覚
しかし

「ASKAさん」
ASKAの肩に手を回し

「さぁ、エス、コート、を」
胸の前に手を・・・その手にはピンの抜かれた手榴弾
そして意識が無くなった





そして手榴弾が爆発した
 5044: 宴の後1/対苺:ASKA ASKA 2004/03/28 07:15:42 
手が焼け焦げる感覚。
全身を駆け抜ける痺れ。
このまま倒れてしまいたい気持ちを押え、スピードを上げる。

ダガーが相手の右腕に刺さった。
全てがスローモーションになったように、相手の動きが良く見える。

相手の懐まで飛び込み、更に右手を突き出す。
球体は、人を喰らえるのを喜ぶかの様に、威力を増した。

しかし、突き出した右手は空を切った。
次に来るのは、激痛。
聞こえるのは、自分と相手のうめき声。

右手は空を切ったが、球体は相手を掠っていたようだ。
ただ、掠っただけでは全てのエネルギーが相手に行かず、残ったエネルギーを受けることになる。
 5045: 宴の後2/対苺:ASKA ASKA 2004/03/28 07:16:07 
あまりの激痛に、意識を手放そうとしたその時、

「さぁ、エス、コート、を」

肩に回される手。

そして───


急速に意識は戻り、目を見開く。
相手が胸の前に持っているのは………

「っ苺!!」


「────────っ!!」


声は爆発音にかき消され………

残ったのは瓦礫の山。
 5046: 宴の後3/対苺:ASKA ASKA 2004/03/28 07:16:29 
ガラガラガラ

暫くして瓦礫の山から出てきたのは、手。そして女。最後に引きずり出されたのは青い髪の男。

「お…重い………。
 なんて無茶をするんですか…苺」

なんとか相手を引きずり出し、ぺたんと瓦礫の山の上で座り込む。
体も服も既にボロボロで、常に持っていた流星錘すら今は無い。
瓦礫の中に埋まってしまったようだ。

「…あんな状態で爆発したら、いくら貴方でも死にますよ…」

手榴弾が爆発する直前に、残った魔力をかき集めて発動させた魔法。

───水華円
 5047: 宴の後4/対苺:ASKA ASKA 2004/03/28 07:17:00 
普段なら自分の周りに水のベールを呼ぶのだが、
先ほどは、手榴弾を包み込むように発動させた。
そうすることで少しでも威力を抑えようとしたのだが、なんとか成功したようだ。
簡易詠唱では、全ての威力を押さえ込むわけには行かなかったが。

「苺ー、私疲れましたわよー。起きて紅茶入れて下さいな
 苺のケーキも食べたいですねぇ。
 あるんでしょー出しな、さ、い………」

相手の額をぺちぺち叩きながら、喋っていたが、そのままばたりと倒れた。

あーミリオラーネさまに謝りませんと…

そこで意識は途切れた。
 5113: 成長:ダークネス ダークネス 2004/03/28 22:31:16 
陰から連続でニードルダガーを投げつける闇騎士。
しかし、ギリギリのところで少年はそれをかわしている。

(狙いは正確なハズ…見切られている…ワケでもない、な…)

闇騎士は、そっと眼を閉じる。

――集中――

感覚を、研ぎ澄ます。見えないモノを視る為に…

(…なるほど…)

時間にして、数秒経っていないだろう。その僅かな時間で、闇騎士は何かを感じ取ったようだ。

(…片翼殿に、何かが憑いている…邪気を感じぬ所を見ると、精霊か何か、か…)
 5114: 成長 2:ダークネス ダークネス 2004/03/28 22:31:59 
考えつつ、残りのニードルダガーを抜く。
少年は魔法の詠唱を初めていた。
先ほどよりも、高い魔力の奔流を感じる。

(…勝負に出る、か…?…よかろう…)

右手に剣、左手にニードルダガー数本を持ち闇騎士は翼を広げる。
闇の力を、いつでも最大限に解放出来るように。
ダガーを一本、投げつける。命中した気配はあるが、それでも詠唱は止まらない。

『…不通不起…っ!! 縛々々律令っ!!!!!』

闇の中に、声が響く。
刹那、空気が爆発したかのような動きを見せ、強力な鎌鼬が発生する。
 5115: 成長 3:ダークネス ダークネス 2004/03/28 22:32:48 
「…これは…!?」

突如発生した強力な空気の奔流。それは、先ほどまでのよりも遥かに強力だった。
闇騎士はニードルダガーを投げ捨て、剣を大きく後方に引き身体を思いっきり捻じる。

「…裏奥義暗黒光破・散!」

言うと捻じった身体を戻す勢いで剣を大きく横に薙ぎ払う。
同時に発生した暗黒の闘気の衝撃波は、闇騎士を中心に円形に飛散していく。
同時に、無数の鎌鼬が闇騎士に躍り掛かかる。

―――ズ、ズゥゥゥン…―――

力と力がぶつかり合う音が辺りに響く。そして、静寂…
 5116: 成長 4:ダークネス ダークネス 2004/03/28 22:33:19 
『…これが今は精一杯…、…もう余力なんざねえっ!』

言って、膝をつく少年。
その彼の前の暗闇から、まるで沁み出すかのように闇騎士が現われた。
漆黒の瞳で、少年を見詰める闇騎士…その視線を真っ直ぐに受け止める少年…

「…例えば…」

不意に、闇騎士は口を開く。いつもの、静かな口調で。

「…例えば、長きに渡り厳しい訓練に身を投じても、さして強くならぬ者もいる…」

闇騎士は、ゆっくりと少年に向かって歩き出す。

「…その一方で、たった1回の闘いで、爆発的な成長を遂げる者もいる…」

闇騎士はもう、少年の眼前にまで来ていた。
 5117: 成長 5:ダークネス ダークネス 2004/03/28 22:33:51 
闇騎士はその、深く昏い瞳で少年を見下ろしている。

―――ポタン…―――

少年の前の床に、何かが落ちる。
眼を凝らしてよく見ると、それは闇騎士の腕から滴り落ちた血だった。

「…まぐれでも、偶然でもない…この傷は、紛う事なく貴公がつけた物…」

闇騎士の声は、あくまで静かだった。遠くで、崩落の音が聞こえる…

「…この闘いの中で、貴公は明らかに強くなっていった…見事だ、焔殿…」

言って、血に塗れた左手を差し出す闇騎士の顔には、微かな、だがハッキリとした笑みが浮かんでいた…
 5126: 誓い 1:片 片翼 2004/03/28 23:17:24 
嗚呼、血が、足りない。

当たり前だけど、腕からも足からも、肩からも腹からも、流血、しているのだから。
痛みはもう半ば麻痺していて、立っていられないから膝をついた。
轟音。
嵐。

松明の炎はとうに消えて、肌とそして闇の中のおぼろげな気配だけしか解らないけれど。
それでも威力は絶大だ。
自分も食らっているのだから、解る。

「…ち、…目も霞みやがる…」

嘲った瞬間闇の中で何かが動いた。
嗚呼、矢張り居たか。
轟音、そしてまた轟音、力のぶつかり合いがひしひしと伝わる。長いようなそれは一瞬。
 5130: 誓い 2:片 片翼 2004/03/28 23:20:13 
『…闇騎士殿が来るよ主殿』

精霊の声に顔を上げる。
嵐は止んだ。音と共に。

「…例えば…」

聞こえるのは月のような声。
目を凝らせば闇に慣れて来た瞳には闇色の騎士の姿。

斬られる?と身を固くするがそうでなく、ただ彼は近付いてくるだけ。

「…例えば、長きに渡り厳しい訓練に身を投じても、さして強くならぬ者もいる…」

耳を傾ける。
もう勝負は決まっていた、だから今更どうなろうが良いかな、とも思った。
だけど彼の言葉は聞いておかなければと言う…いつもの、癖のような。

「…その一方で、たった1回の闘いで、爆発的な成長を遂げる者もいる…」

思考だけ追い付かない。
嗚呼、矢張り血が足りない。
 5131: 誓い 3:片 片翼 2004/03/28 23:23:25 
血の滴る音が、止まない。

それにふと、気付いた。
音は自分のものだけでは無かった。

闇色の騎士を見る。

「…まぐれでも、偶然でもない…この傷は、紛う事なく貴公がつけた物…」

左手。
漆黒の衣装を伝って流れる、それは赤い…生きている証。

「…この闘いの中で、貴公は明らかに強くなっていった…見事だ、焔殿…」

差し出された左手、そこに流れる血。
けれどそれよりも何よりも驚いたのは、…ダークネス殿が、微笑んで…いた、事。
それは普段のポーカーフェイスとほんの少しの差異だったけれど。
だからこそ絶対に間違えない、もの。

「…貴方に…その名前を呼んでもらえるとは思わなかった…」
 5132: 誓い 4:片 片翼 2004/03/28 23:23:43 
嬉しさ故か安堵故かそれとももうこれ以上無いという餞故か。
目眩がする。

「…だけどまだ…足りない…」

もう目を凝らしても彼の姿は見えない。

「…目標に一歩近付いた、としても……まだ、まだ…っ…」

意識が遠のく、寒さに肩が震える。

最後に聞いたのは崩落の音。瓦礫が崩れる嫌な轟音。
堕天した日もこんな感じだった…などと場違いな記憶を思い出しながら。




「………俺は…  ――を、守るんだから………」


それは遠い祈り揺らがない願い。
闇の暖かさに意識を失った片翼が故の誓い。

(Turn End
 5243: 閉幕:シモン シモン 2004/03/29 20:33:13 
「どうしようか・・・」
 轟音を聞きつけて遺跡の一角に駆けつけた蛙は瓦礫を前に膝から崩れる。
「ミリーさんに謝る際の言い訳を考えないといけなくなったケロか・・・」
 うなだれつつも、覚悟はしていたこと。言い訳の一つや二つは考えている、と蛙は心の中で舌を出した。
「全壊じゃなかった分、よかった、と思おうケロヨ・・・」
 蛙は自分に言い聞かせるようにつぶやいた。そして、息を大きく吸い込み遺跡中に響き渡る声で叫んだ。
「これにて、第3回ガッツオバトルフィールド エルーシャ遺跡戦を終了とさせていただくケロ」
 5244: 闘いを終えて:シモン シモン 2004/03/29 20:33:43 
 宣言を終え、あたりを見回す。
「さて、それではおいらは一足先に遺跡とおさらばさせていただくことにしよう・・・」
 蛙は遺跡を立ち去ろうと歩みをすすめ・・・瓦礫に頭をぶつけた。
「・・・え?」
 瓦礫が通路を塞いでいた。

 今日もしくしくともの悲しげな声がエルーシャ遺跡に響いている。
 5245: 執行部より シモン 2004/03/29 20:34:11 
 これにて、第3回ガッツオバトルフィールド終了ケロ
 近日中に文都HPにこの内容を選手登録票と併せてアップさせていただくケロ。

 選手のみなさん、お疲れ様ケロ。すばらしい闘いに感謝と尊敬ケロ。
 そして、応援を下さったかたがたも、最後まで応援感謝ケロ。

 それでは、次回のBFでまた会おうケロヨ!!
 5250: エピローグ ダークネス 2004/03/29 23:01:03 
『…貴方に…その名前を呼んでもらえるとは思わなかった…』

闇騎士の眼を真っ直ぐに見返し、少年は言う。声に力がなくなっている。

『…だけどまだ…足りない…』

声に続き、眼から力がなくなっていく。そして…

『…目標に一歩近付いた、としても……まだ、まだ…っ…』

擦れた声で言うと、少年は力なく崩折れる。それを闇騎士は左手で支え受けた。

『………俺は…―――』

少年の言葉は、最後まで聞こえなかった。
崩落が始まり瓦礫が崩れてきたからだ。
闇騎士は少年を左手一本で抱き上げると、肩に担ぎ走り出す。
数歩で加速すると、地を蹴り床と天井の間をすり抜けるように飛翔する。
 5251: エピローグ 2 ダークネス 2004/03/29 23:01:42 
少し進むと、崩落の音が聞こえなくなった。どうやら、もう安全なようだ。
少年を一旦地に降ろし止血だけすると、背負ってまた歩き出す。

「…さて…出口は…」

意識を周囲に向ける。すると…

「…人の気配…?まだ居るのか、誰かが…」

恐らく迷宮の中であろう。人の気配を感じそちらへ足を向ける。
気配の主は、よく見知ったヤドクガエルであった。

「…シモン殿、何を泣いておられる…泣いている暇があるなら、手伝って頂きたい…」

ヤドクガエルに声をかけ、少年を預けると、闇騎士は剣を抜きはなった。
 5252: エピローグ 3 ダークネス 2004/03/29 23:02:24 
「…緊急事態ゆえ、止む負えまい…迷宮の主には、シモン殿の方から謝罪しておいて頂きたい…」

ヤドクガエルを背後に回し、闇騎士は目を瞑る。背中の翼が、周囲の闇を吸収するかのように、大きく広がっていく。同時に、彼の周囲を力の奔流が渦巻き始める。

「…全力で撃つのは、久方振り、だな…負担が大きいから、あまり使いたくは無かったのだが…」

闇騎士の身体から、暗黒の闘気が漏れ出し始めた。息吹を上げ、精神を集中させる。周囲に散らばっていた力が、闇騎士に集中していく。

「………破!!!」

気合いと共に、剣を天井に向けて斜めに振り上げる。
刹那、凄まじい音と共に衝撃波が発生し天井目掛け突き進んでいく。
 5253: エピローグ 4 ダークネス 2004/03/29 23:03:22 
―――ズズズゥゥンン……―――

轟音と共に、天井が吹き飛び陽の光が差し込んでくる。が、すぐに崩落を始め天井が崩れ始める。
闇騎士は後ろを振り向くと、2人を抱き抱え一気に飛び上がった。
地上に出るのとほぼ同時に、穴が塞がる。

―――ドサッ!!―――

流石に2人を抱き抱えて飛ぶのは無理があったらしく、落ちるように着地する3人。
ふと横を見ると、更に見知った顔が2つ、倒れている…

「…執行委員殿、後は任せた…くれぐれも“万が一”なんて事にならぬよう頼む…」

特に酷い左腕の傷を縛りながら、闇騎士は遺跡を後にした…

―〜fin〜―
 5310: エピローグ:ファウスト ファウスト 2004/03/30 18:13:58 
「いたたたた・・・全くどうしようも無いですね〜」
ASKAが倒れたのを薄目を開けて確認した後、起き上がる
「無茶はする物じゃないですねー・・・」
俯けに倒れていたASKAを仰向けに寝かせるて横に座る
そして上着を脱いでASKAにかける
服の下から現れたのは体中にビッシリ巻きつけられたワイヤー
「大丈夫かと思ったら全然大丈夫じゃないし。」
右手に刺さったダガーを一気に抜き取る
吹き出る血を服を裂いて作った包帯で止血しながら愚痴る
「アバラもバキバキですねこれ・・・全くやってくれた物です」
 5311: エピローグ:ファウスト ファウスト 2004/03/30 18:15:05 
倒れているASKAを見る
妙に満足気な顔をしているASKA
「いちごー・・・紅茶入れなさいー・・・」
苦笑しながら空を見る

(ああ、タンクトップ半裸・・・と言うかダークさんの時もこんな空でしたかねー・・・)

妙に透き通った青空
目を閉じて転がる

ドサッ
しばらくすると横で何かが落ちる音
そして声
「…執行委員殿、後は任せた…くれぐれも“万が一”なんて事にならぬよう頼む」
ダークネスの声

そして羽ばたく音がして遠ざかる気配・・・
 5312: エピローグ:ファウスト ファウスト 2004/03/30 18:16:14 
(ああ、闇ネスさんらしい・・・)
彼はきっと何処かで一人で体を癒すのだろう
強く強く、何処までも強く

少しの憧れと少しの哀しみ



ああ、悪くは無い

そんな言葉が唐突に心に響き
片手を空に突き上げて

「皆お疲れ様、ですよ」

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