こちら、ガッツオコロシアム観戦席。 エルーシャ遺跡の映像も遺跡内のカメラより送られてきております。 もっとも、暗くてよく見えませんが。 観客の皆さん、さぁ、選手に声援を。野次を(ヲイ。謎の絶叫を(待て。
バトルフィールドが開催されてからすでに数日。どうやら予選突破者が決定し観戦が出来るとの話を聞いて俺は足を運んでみた。 中に入ると丁度薄暗い中でシモン殿が開始宣言を行っている所だった。 「さて、皆の戦いぶり。しっかり見させてもらおうかな♪」 俺は参加していない、何故なら・・・痛いからw そして負ける事が嫌だからだったw そんな俺ではあるが決して戦う事が嫌いな訳ではない。 シモン殿の開始合図の後、映像に映されるのは暗闇と4つの明かり。 だがそれも1つ、また1つと消えてゆく・・・。 「どうやらカメラも困惑してるようだな」 多少の苛立ちはあったが映像は残った1つの明かりをアップした。
「あれは・・・ダークネス殿?」 あまり話した事はないがかなりの使い手だと映像越しでも分かる。 そう感じている間に反対側から見えた一人の少年。明かりに照らされてはいないが特徴のある姿から片翼殿だとわかる。 「ほぉ、面白い戦いが見れそうだな」 お互い何かを話しているようだ、がすぐに終わり 言葉の変わりに松明の光が静かに地へと向かってゆく・・・ これから行われるであろう戦いを観戦だけなら興味がある男は手を軽く握り締めて映像を見つめていた。
にょほっと。ここあいてるにゃりか?(ポップコーン片手に) おっ、はじまってるにゃりねー えーと、こっちはハトしゃんにUちゃん。 二人とも普段は温厚にゃのに激しい戦いぶりなのにゃー ごめんにゃさい。おいらはてっきりトリック系のお人かとおもってたにゃ(^^;>ハトしゃん そして、Uちゃんもどっかん系の人だったにゃんて、人はみかけによらにゃいにゃー で、あっちは、にゃにゃ、リュトしゃんとお凛ちゃんにゃ あ、こちらにはUちゃんに輪をかけてどっかんどっかんなお人が… 通常にゃら、お凛ちゃんとしては与しやすいタイプなんだろうけどにゃー、ちょっと規格外すぎっぽいにゃりねー
えーと、残りの二組はスクリーンにゃりか 暗い… シモンしゃんも、もう少し観客のことを考えてほしいにゃ…ぶつぶつ ん、苺しゃんとASKAしゃんの試合はまだにゃりね。 と思ったら、苺しゃん、何やら悪巧みしてるし…にゃるほろ、これが噂に名高い、苺しゃんの百万ドルの微笑み、って奴にゃりか
で、もう一方は、片翼しゃん一人? んにゃんにゃ、よく見るとダークネスしゃんがいるにゃりよ あにゃ、随分と一方的にやられてるにゃ〜。 生きながら伝説といわれる、あの黒騎士相手ではさすがに分が悪いにゃりが、でもでも、せめて一泡ふかせて、できることなら勝ってほしいにゃ〜 だって、おいらは片翼しゃんに賭けてるんだもん(←それが本音かい(笑) だってだってオッズがとてつもなくよかったのにゃ〜(←更に失礼な!!(爆)
もともと暗くて見にくかった特設スクリーンではあるが、たてつづけの爆発音とともに画面が大きく揺れ、その後デザートストーム すかさずカメラが切り替わり別のシーンを映し出す。が、それもつかの間、雷音とともに画面はホワイトアウト、そして完全に沈黙 かろうじて生きているマイクはというと、先ほどからノイズのような音を拾っている。聞きようによっては、がらがらと洞窟が崩れつつある音にも聞こえるが……
ふとエルーシャの方角を見てみると、黒煙がたなびいている ちょうど遺跡のあるあたり…… 「エルーシャ遺跡は明日からエルーシャ廃墟にゃりね……」 ふと、迷子になってる友達のカエルさんのことが気になったが、無事に出てこれたとしても、ミリしゃんにこっぴどく怒られるだろうことを思うと、このまま季節遅れの冬眠にはいってしまった方がいいのかも、と合掌するちびネコであった
眼下で繰り広げられる死闘… それを観客席の中でも一際見晴らしのいい 解説者ゾーンにたたずみ、見下ろす道化が一人。 その紅い瞳は普段のそれより深く紅く まるで濃い血の色のように その手は、その爪で傷をつくってしまいそうなほど 強く握り締められて そこにあるのは純粋なまでの衝動 それをただひたすら押し殺すように、更に強く拳を握り締める 「…あぁ」 溜息に似た、けれど熱のこもった吐息が、彼の口元から零れる 感嘆…というものだろうか 「俺も…」 アノ場所デ、タタカイタイ その言葉だけは口に出さずに
先の予選の折に目覚め始めた、血に宿る【破壊衝動】 普段は全く感じることのないそれも、今の瞬間は別だ 道化の視線は死闘の領域に釘付けになっている 【破壊衝動】を無闇に開放してしまえば 道化はいまの自分でなくなってしまうかも知れなかった だから、少々の戦いではそれを見せることすらないのだけれど 死闘を見据える道化の心にある、ひとつの期待 『アイツなら、この衝動を全てぶつけても 真っ向から受け止め、返してくるかも知れない』 「だから…」 誰に言うともなく道化は呟く 「強くなってやるさ…そして、必ず…」 その表情には愉悦の笑み
仕事が遅れて慌ててかけつけた。 すでに黒山の人だかりを成しているガッツオコロシアム… 聞くところによると立ち見も出ているらしい。 専用の入り口から進む。最上の戦いを見られる最上の席に腰を下ろすと、少し後ろめたそうに 「まぁ、役得っちゅうてもコレぐらいやもんなぁ」 と、誰に言うでもなく呟く。 …仕合はすでに佳境だ。 呉鳩羽殿とU-ya殿、普段は温厚な人柄の二人の戦いが目を引く。 死闘…まさに、その一言に尽きる。 「譲れない想いか…」ふとで既視感の様なものを感じた。
(そういえば長い間、剣をとってないなぁ…) そう、かつての愛刀は忌わしき記憶と共に封印したのだった。 しかし、甦る想い。より純粋に強さを求めた若き日々。 強くなりたい、戦いたい、そして… (久しぶりに出してみようか…錆付いてなければいいが…) 「錆付いてるんはボクの腕かな〜」 おもわず笑みがこぼれた。剣のことで笑うなど何年ぶりであろうか。 (これまでとは、違う…よな。) 甦る想い。それは羅刹の夢か悟りの微笑か…