少しずつ順調に冊数を増やしていくこの手帳皆様の日頃を 是非ここに書き止めておいて下さいませv お仕事の事やご家庭の事、変わった事や普段の事世界に起きる色々な事皆様の言葉で、手帳を紡いでいきましょう
ガッシャン!!! 街中で、派手な音を立てて、買い物袋をぶちまけたのは、赤髪のちびっこ。「……」無言で衣服を正し、ぶちまけた品を集める。「大丈夫ですか?」その様子を見ていた青年が声をかける。「は、はいッス、ダイジョウブっす。ありがとうございまッス(礼」拾ってもらった買い物袋を受け取り、頭を下げると、ちびっこは無言で帰った。 しかし、帰り道、思い出したかのように真っ赤になる。「はうー///恥ずかしかったのっすー!!」気が抜けたのか、重い買い物袋が、手に食い込んで、ジンジンしてくるのを感じる。「今年何度目かなー…もう、転ばないと思ったのに…」片手じゃ足りない転倒回数。
「でもいいのっす!今年最後の準備ッス!」小さく拳を握り締め、何かを決意する姿は…誰が見ても不安に思える…(ホロ小さな手にかけられた袋には、なにやらイロイロ入ってるようで、家までの道を嬉しそうに歩いている。 そして、家に帰れば、将来のためにと料理の練習を申し出れば、即却下されることが予想され、勝手に作ってみようかと計画を企てる豆坊主が居たりして、今年の冬も雪が見れるといいなーと思ってたりするチビッコの部屋の同居人(ペット)春雨も居て、なにやら静かな年末は、無理っぽい一家であった。 今年の感想。(何:コゼン「秤エの料理は、ダメッスかー!?皆、遠慮するッスかー!??」
(今日は早く仕事が終わった・・・)急ぎ足で王城の通路を歩く(エクセリカさん、いれば良いのですけど・・・)そんな事を思いながら道を曲ると・・・ ガス 出し抜けに足の甲に痛みが「ファウ卿、ちょっと付き合え」(えーくーさーんーがー)心の中で叫びつつ、顔はにっこり「解りました、また仲介ですか?」踏まれた足をずらしつつ、密談用の個室に向った
(遅くなってしまった・・・)正面玄関前を急ぎ足で進む(少し、厳しいかな?) ぽむ 時計を見上げる私の肩に置かれる手振りかえればどんよりとしたガリュー教皇「ファウスト殿・・・ちょっと良いか?」(えーくーさーーーんーーーー)心の中で叫びつつ、顔はにっこり「問題無いですよ?また供給所問題です?」頷くガリュー殿に先行し、王室の密談部屋へ向った 結局今日も深夜まで迎賓館に行く余裕も無く、自宅へ戻るしかし、その帰り道「あ、ファウストさん」にっこり笑ったエクセリカさんの姿(今日も一日、良い日だった)
朝起きて、周りを見渡し言いようもない寂しさに襲われる瞬間。 「ああ、ここはネバーランド…お父様もお母様もいらっしゃらないのですね…」 自分から飛び出したのに。守ってくれる暖かい手から、愛してくれる人たちから。 「…自分で決めたことでしょう?」 ぬくもりを捨てて、新しい世界へ。決めたのは私自身。寂しがってなどいられない。 「さぁ、今日も頑張ってお仕事お仕事〜vv」 立ち上がり身支度を済ませる。王宮に出勤すれば、たくさんの方たちとの会話。 何を寂しがる必要があるのです? 自分に問い掛けて、今日も戸を開ける。新しい朝が来ることを感謝しつつ。
「ケロロ〜♪」カエルは商人ギルドから届いた木箱を開けて喜んだ。指でなぞる。程よいさわり心地だ。まるで…自分の肌をなぞる。素晴らしい、さすが素材に我が粘m…「ケロケロケロ クワックワックワッ♪」歌を口ずさみながら、表札に新しく付け足す。『弱消費衣類 入荷したケロ』 竜巻の痕であるテントの隙間から月明かりがこぼれ、カエルの歌声がひっそりと流れてきた。
家路を辿る。いつものように。ああ、魔力供給所は今日もうるせえ…と思いつつぼんやりと歩く。今日の夕飯何にしよ、クリスマスも近いし何か鳥でも…、と考えながら家の前に……。 来た筈だった。 が、そこは更地。なにも無い一角。 「……………ぁ、今俺んちここじゃねーやん」 またやらかした。引っ越してからもう連日のように続くそれ。無意識に前の家へと歩いてしまう。まあ、二年住んでたにしても癖というものは恐ろしい。
「…かーえろ(汗)」 やれやれと首を振って、背中になけなしの魔力を集める。失くした方の翼のあった所に魔力を集め、羽根の形に整える。 ばさり。 空へと舞い上がる。後ろは振り向かない。 今の俺の家はハイラングールの一角なんだから。
王宮でのお仕事を終え、家路に着く前に迎賓館を覗く。ここ数日の日課になってしまった。 入り口から顔を覗かせて、中を確認。「んー、今日はまだ来ていらっしゃらないのですね…。そうですよね…お忙しいもの………」 少し寂しさを覚えながら、中に足を踏み入れる。こんばんわ。と皆様がかけてくださる言葉は、とても嬉しくて心温まるものだけど… 「やっぱりあの方がいらっしゃる方がいいな…」 そう思う。 まさか自分をこんなにも変えてしまうとは。孤独なままで、独りで居ようと心に決めていたのに…こんなにも簡単に崩されるとは。 でも……… 幸せですわ………
やっと色々終わった。国内の仕事をおざなりにするほどの多忙、疲労、精神疲労。 何とかそれに片がついた。 さぁ仕事に復帰だ、気合を入れたら愛しい人が多忙。 部屋にいることは少なく帰ってきても寝ていることが多く 会話が無いわけじゃない忙しいのを理解できないわけじゃない だけども やはり淋しい。 とはいえ我が儘は言えない。 忙しいなら支えてやらなければ そして待っていなければ そう思いひとまず不在の部屋の掃除をした。自分に出来る事は何か無いかなと考えつつ。 そして もう一人の同居人は何してるんだかね(呟)
ようやく仕事が終る。ここ数日、やけに忙しかった。まだ彼女は起きているだろうか。逢ったら何と言えば・・・この愛しい気持ちの一割も伝わるだろうか。歩きながら考える。悩む。だがスピードは落ちない。心が、体が、俺の全てが彼女を求めている。ただ逢いたい。逢って話したい。その可愛らしい笑顔を見たい。その想いに、足は自動機械と化す。迎賓館の扉が近づく。手が勝手にそれを開く。 ASKAは居た。俺が何も言う前に、俺の体はASKAを抱きしめていた。
また今年も、クリスマスの時期が来た・・・昔は、好きでも嫌いでもなかった・・・だが・・・今は、この時期は嫌いだ・・・クリスマスツリーを見ると、どうしても思い出す事があるからだ・・・忘れたくとも忘れられぬ、そして、決して忘れてはいけない事・・・それは、俺と、俺の友にとってかけがいなき存在だった者の亡失・・・そして、怒り・憎しみという感情の発現・・・知る必要など無かった、負の感情・・・決して失いたくなかった存在・・・・・・これから先も、俺がクリスマスを好きになる事は決して、無い・・・
俺は今、幸せだ。これは断言出来る。可愛い恋人と愉快な友人逹…。国も全く問題が無いとは言えないが、おおむね平和な時が流れている。俺は今、幸せだ。 だがなんだ?この気持は…。幸せで有れば有るほど募るこの焦りと居心地の悪さは…。 「此処こそが俺の居場所だ。」そう声を大にして叫びたい。けど、心の奥底で誰かが「此処はお前の居場所じゃ無い。お前は此処に居ちゃいけない。」そう囁いている。
ちくちくちくちくちくちくちくちく… そんな音がするはずもないのに、何故か縫い物の表現はこうである。それはさておき、クリビアは仕事にいそしんでいる。現在受けている衣装作成依頼2件のうち、1件は仮縫い手前まで来ている。もう1件はデザインをクライアントと打ち合わせ中だ。できればどちらも年末までに納品したい。新年の衣装の1枚にしてもらえたら嬉しい…ま、どうせ今年も『シングル・ベル』だし。 …うるさい〜っ!!と言う声と共に、ハサミが飛ぶ。ふぅ、『バーニング・X'mas』だ(謎) ふと針を持つ手が止まる。ま、いっか。戦場にいるよりは、ね。2〜3度、首を鳴らして。クリビアはまた、仕事を続ける。
外わ物凄く寒い。暖房の効いた居候先の部屋の中でドラゴわトマトを限界まで口に詰め込んでいる。何故かと言うと同居人のィココちゃとトマト詰め込み競争をしているからだ。(ぇこう見えてドラゴは頬袋を所持している為小さい顔から想像できないほど尋常では無い量のトマトを頬張っている。かたやネコたんのィココちゃも負けていない。と、そこに暖かい飲み物を持ってきてくれる萌ネコえくっちv「ェクッちママーヽ(●´¬`●)ノ♪」頬をパンパンに膨らましたドラゴわエクママに駈け寄り力一杯抱き付くv何だか最近今までに感じた事の無ぃ暖かしゃ満開でしゅv
エクッちママが持ってきてくれた暖かい御飲み物とわ・・・ 『温トマ』 トマトジュースをぬるい程度に温めたというとてもホットな逸品らしぃ(涎詳しくわエクッちママに聞かなぃと(、、*(ぇ
『温トマ』それはエク姉が開発した世にも美味しい暖かい飲み物vvトマト農園三姉妹みんなが愛する冬の逸品なのだ だがこれはエク姉にしか作れない代物温度と実の細かさが重要なカギなのだ(きらーん 12月に入ってから早一ヶ月昼間は決まってゴロゴロと部屋で遊ぶ姉妹達に毎日のように『温トマ』を運んでくれる女神エク こんな毎日ももうすぐ終りなのかと思うと自然に目頭が熱くなる 無理やり上を向いて 涙と共に暖かさを喉に流し込んだ
この世界に来てテント生活を始めた頃、私の近所に住んでいた、無駄にいかついが陽気な緑色の男と知り合った。そんな緑色が楯を開発したというので、早速購入してみたのだが… 数日後、私は彼のテントに躍り込み、必死に訴えた。「コロシアムで装備した君の楯が、二回とも一発で壊れた〜」彼は苦笑しながらも、その巨体を縮めた。「困ったウガ〜」 しばし考えた緑色は、何か思い付いたかのようにポンと手を叩き、私にこう言った。「じゃあ、俺の楯をもう一つ買えウガ」「何よそれ!」私は彼の言い草に激高した。「もちろん金は払ウガ。そして楯を俺に譲渡ウガ。」つまり、自分でも使ってみるつもりらしい。―続く―
私はその言葉を聞いて、ある事を思い付いた。「じゃあ、楯を二つ仕入れておいてよ」「何故ウガ?」私はニヤリと笑い、彼に向かって叫んだ!「お互いに君の楯を装備して、決闘だ!」 次の日、深夜。某コロシアムの舞台に我々は立っていた。 目の前には緑の大男。しかし私の細腕で、よくこんな巨体に決闘を申し込んだな…と今更思い、身震いした。 「いいウガ?」開始の用意を求められ、私は後には引けない事を思い知る。 …よしっ! お互い、同じ楯を構え、「…いくよ!」私は彼に向かって走り出した… 結果は私の逆転勝ち。 しかし、我々の楯は …見事に壊れた… 彼は、ひどくヘコんでいた…
穴ぐらを掘った。結構、広いようだ。彼はその中に毛布を投げ込む。これでしばらくやっかいになる住居の出来上がり。そして、自分のお店に行くと、仕入れたものを棚に並べ、出入り口には箱を置く。持ち逃げされないようにしっかりと止めてから、箱に「お買い上げの時は、この箱にお金を入れるケロ」と書き込む。そして、彼は自分の家の前にこう書き置いた。「●」
俺は今日もこの階段を登る…戦う為に…。 右手には禍禍しき大剣。左手には美しき大盾。その身には簡易強化服。その心には耐魔を施してある。 準備は万全だ。今日の相手は格下という事もあり負ける要素は無い。…あいつが現れない限り 相手が強く見え、動きが止まる事がある。渾身の一撃が擦る程度にしか発揮されぬこともある。良く有る事だ。しかし、それが4回5回と続く時、奴の存在を確信する。神の存在を…
建築家と個人的な美学を持った住居相談 〜一時間後〜「No8!中央じゃなきゃ認めませんよ私は!」「資材運べねぇ!つってんだろうが!」話し合いは何時の間にか地図の投げ合いになっていた 〜後日〜「やれば出来るじゃないですか」「たまたま開拓した友人がな・・・」「最初からすれば良かったのです」「何言ってやがる、友人にナシ付けるの大変だったんだぞ」「ああ、これで私とエクさんの城が出来あがるのですね」「・・・聞いてねぇなこのヤロウ」 (記念碑を誘致しなくては・・・使用人の募集とか必要ですかねぇ)そしてこれからの日々に想いを馳せるのだった
まったり、まったり。 サンタ狩り、馬鹿ップル狩りも終わった事だし、今年も残す所後少し・・・。 最後の仕事が残っている!(@ΦωΦ)Ψ フフフ、全国のお子様達、待ってイたまへ・・・(にやりんぐ
「勝手に飛び出して申し訳ございませんでした。」と。 それだけを言えば良い筈なのに。潔く、誠意を込めて伝えなければならないのに。帰国して数日が経っても、軍務長官へ帰国を報告しに行っていない。 年の瀬の街の中。買い出しに来た少年は画材と雑貨、食材等がいっぱい詰まった紙袋ともやもやした気持ちを抱えて家に帰る。 紙袋が揺れる。気持ちも揺れる。 宵闇のパナルモ。灯りのついた我が家の前までたどり着いた少年は玄関近くに佇む人影を確認して凍りついた。
すらりと背の高い男性。執務室に飾ってある白薔薇の香り。佇む人影は、少年の上官−軍務長官ファウスト氏だった。 「ミクラさん」 平坦で、冷たい呼びかけの声に紙袋を取り落とす。さっきまで少年だった軍務官は、赤い目の子犬に姿を変えていた。逃げようとしたが、視線に射抜かれて体が動かない。体を低くして、耳と尾を下げて震えて、上官を見上げるだけだ。 「ミクラさん」 また呼びかけられ、尾が後ろ足の間まで下がる。ファウストは、少年が逃げないと見て、ゆっくり近づき、見下ろした。 一瞬の間を置いて、ファウストは子犬の頭めがけ手を振り下ろした。
「!?!?」振り下ろされた手は、子犬の両頬を引っ張った。予想しなかった上官の行動に戸惑ったらしい子犬はジタバタする。ファウストは無言で手を離すと今度は耳を引っ張る。子犬がきゅんきゅん鳴いてもがくが一切気にせず引っ張り続けた。 ひとしきり引っ張った後、手を離した隙に、子犬はパッと逃げて行った。少し離れた所で振り返って様子を窺う部下に向かってファウストは両手を広げて呟いた。「お帰り、ミクラさん」 「ただいまです」と言う代わりに一声ワンと鳴いて子犬は上官に飛びついた。
しょっちゅう見る夢がある…暗闇の中を彷徨う俺…何処にいるのか、何処に向ってるのかも分からず進むと、目の前に女が現われる…かつて、俺が愛し、そして手にかけた女…彼女は、真っ直ぐに俺を見つめ、そして微笑んでくる…それは、悲しみと、憐れみと、寂しさを含んだ微笑み…近付こうとすると、彼女は反転しゆっくりと歩き出す…どんなに全力で走っても追い付けず、やがて見失う。彼女の名前を大声で叫ぶところで、いつも目が覚めた… その夢を見た日の朝はこれ以上ないくらい気分が悪い。だから、俺は夢が嫌いだ…
昨日も、夢を見た。しょっちゅう見る夢と、最初は同じだった。「・・・フ・・・」彼女の名前を呼ぼうとして、彼女にさえぎられる。彼女は、真っ直ぐに俺を見詰めると、不意に俺を指差して来た。いや、違う。俺じゃない。指差しているのは、俺の後ろだった。振り返る俺。振り返った視線の先には、女性が立っていた。顔はよく見えないが、何故か、俺の知ってる女性だと分かった。「な・・・!?」絶句し、また振り返る。何時の間にか、彼女は背を向けて歩き出していた。追いかけようとし、躊躇する。と、彼女は振り返り、俺に微笑みかけた。
その笑みには、寂しさも哀れみも悲しみもなく、優しさと慈愛に満ち溢れていた。不意に、彼女が何かを囁いた。小さい…本当に小さい声で…だが、俺にはハッキリと聞こえた。『ありがとう・・・さようなら・・・』と…そして、彼女は再び背を向けて歩き出す…二度と振り返る事無く…去っていく彼女の背中を見つめる俺の頬を、何かが濡らした…二年前、彼女を手にかけた時に流して以来、忘れていたモノ…もう、とっくの昔に枯れ果てたと思っていたモノ…
やっと、理解した…俺は懸命に前に進んでいたつもりで、過去に縛られ、振り返っていただけなのだと…涙を拭い、振り返る。俺を見つめている女性へ歩いていくと、見えなかった顔が徐々に見えてきた。『ラ・・・』顔を見て、名前を呼ぼうとしたところで目が覚めた。 もう、この夢は二度と見ないだろう…そして、明日からは、少しは夢を見るのが好きになりそうだ…ああ、あと、彼女に会いに行くか…受け入れてくれるかは、分からんが、な…
「おめでとう」 言われてるの見て、誰の事かと見回した。誰か判って、硬直している自分が居た。硬直している自分に驚いた。 「おめっとさん」 それだけ、何とか言った。 何か胸が妙な気分で、暫く黙って気持ちの整理してみた。胸が詰まる、この感じ、好きなヒトが出来た時に似てる。 そしてふと気付いた。ああ、兄弟にはならないって言いながら、俺はいつの間にかまたなついていたんだ。兄様と、思っていたんだ。 なんてワガママ。
彼女さんが微笑む、本当の名前を呼んでる。ああ、いいなと思って、俺も笑った。 二人とも幸せなんだ。 なんか気持ちは複雑だけど、こっそりと思う。 兄様、おめでとう。一緒に歩いてくれるヒト見付かって、おめでとう。 俺もいつか、本当の名前で呼んでくれるヒトが見付かったらいいと思う。いつもいつも怯えて後手にまわってばかりだけど、回り道しまくってるけど。あんたみたいになれるといい。
目標なんて、言わない。だけど、兄みたいに思ってる。言わないけど。 言うべきはただ一言。 「ダーク…おめでとう、しあわせに」 今は何だか兄を取られた弟の気分だけど、彼女の事も好きだから明日からはきっと元に戻るから。 今だけ、この複雑な気分で遊ばせて。
呪竜戦役では東奔西走、世界の表が走るように、世界の裏を走りまわっていた。世界を相手に戦うことに、なんの不足もなかった。 ただ、天の時我々に組せず。自分達の夢を乗せた箱舟は、遠い虚空を彷徨って・・そして空の高みに消えて行った。 でも、戦友達には深い感謝を。こんな自分を待っててくれた彼女には深い愛を。 最後には何もかも失うかもしれないと覚悟していた。戦いに身を置いていた間に貰った暖かい心の声、忘れないだろう。 傭兵団を脱退して今、両手に自由の翼を持ってゆっくりとまた歩き出そう、そうゆっくりと・・・。
城は広い色々無駄にでかいそんな城の中を毛布を手に探し回る兵舎、食料庫、監視塔、中庭・・・台所「・・・又、こんな所で」視線の先には調理台の脇で丸くなって寝ているエクセリカの姿が起こさないように慎重に抱き上げて運ぶ最寄の部屋は、応接間ソファーの上に寝かせて横に転がり一緒に毛布をかぶる起こさないようにあくまでそっと
以前、寝顔を見たいと言ったらそれ以来私が見に来るかもと思うらしく部屋では落ちつかないらしいまぁ実際見に行きたくはあるのだが・・・その性か時々こうやって城の何処かで丸まっている「まぁ、一緒に寝られるから私は良いのですけどね〜・・・」呟いてあくび「こんな所で寝てたら風邪引きますよ〜・・・寒いんですし」エクセリカの体調の心配をしつつ、頬を突付いてみる起きないのを確認して、目を瞑るエクセリカが起きたとき、どんな顔をするのだろうと思いつつ意識は闇に沈んで行く
明るいでもない、暗いでもない部屋の底から、湿った冷気がゆっくりと立ちあがってくる。低い寝台に横たわって静かにしていると、時間がそこにあるのを忘れる。 かたん、と小さな音がして、牢獄の扉についた窓があいた。 「今日が最後だ。欲しいものがあれば今のうちに言え。誰かに伝えたいことがあれば考えておくがいい。たった一つ、本当に大事なことなら、おれがそいつに伝えてくる」 ゆっくり考える。それから思い出す。 「あの人に、愛していると伝えてくれ。生命をかけて愛した、今でも愛していると」
「残念だが、それは無理だ」声はそう言う。 「他のどの言葉が伝わったとしても、それだけは伝わらないだろう。お望みなら百万言でも千万言でも届けよう。だが、そのうちの一つとして伝わることはないだろう。だから、他の何を伝えてもそれは無理だ。さあ、だから他のものにしろ。何が言いたい、何が」 ふと見ると右手の拳の爪が、掌に血がにじむほど食い込んでいる。 「消えろ」「何故だ。さあ、言え」 「消えろ!いいから消えろ!消えろ! 消えろ! 消えろ!」 そこで目を覚ました。いつもの自室の、何も無くなった板の間に、朝の光が落ちていた。
内務官になってまだ日は浅い。と思う。故郷では軍務についていたけれど、その頃から興味のある仕事だったし、実際この仕事の方が軍務より肌に合っているんじゃないかな。 いつものように仕事場に行ってみる。仕事といっても、オレは先日行われたコンテストの集計くらいしかやっていないけれど――――。 ふと内務次官の机に目をやった。綺麗に片付けられていた。そういえば辞表も提出していたな・・・と、思い出す。
僅かでもやり取りのあった人がいなくなるのはこれで4人目だ。慣れない。慣れたくも無いけれど。 暫く机を見詰めてから、自分の机の上に置かれている投票用紙を手にとって集計を始める。内務のASKAさんも協力してくれて、ファムさんもキャラコン速報なんて作ってくれた。大感謝。今日明日中には発表できないかなぁなんて思いつつ、寝不足の頭に喝を入れながら、膨大な量の紙に向かった。
窓が無い、薄暗い部屋。その部屋にあるのは、大きい丸いテーブルと、それを囲う三つのソファー。後は、テーブルの上に置かれた蜜柑を入った籠と珈琲が入れられたカップ。照らす光は人口的。陽光は差さない。差す筈が無い。此処は地下室。黒薔薇倶楽部に属する者が使用している、憩いの地下室。そして…… 「頼む」「……分かった」 ……そこに、私と彼は居た。
私が承諾したのを確認した彼は、座っていたソファーから立ち上がり、出口へと……扉の向こう側へ歩き出して、消えていった。「………」手を組みながら瞼を伏せ、ソファーにより身を沈ませながら、私は考える。彼から受け取った言伝と、文が書かれた紙。これが何を意味するかは考えるまでも無く明白。故に、考える必要は無い。いや、だから思考するのか。この状況を打破する為の案を。「……駄目、か」思いつかない。思いついた所で、彼に言葉は届かない。考えて考えて考える抜く為に、彼は周りとの接触を断つと言ったのだから。
「……今の私には、待つ事しか出来ないって事か」やるせない、と。そう呟いて。私の意識は夢の世界へと誘われてゆく。あやふやで曖昧で、しかし妙な現実感を伴わせた、夢の時間へと。「……すまない……」私は貴方とは違って良い夢が見れそうだ、と。それは確定か、錯覚か。或いは妄想か。声にせず、そう唇を動かして。 ……そこで、意識が落ちた。 貴方も良い夢が見られます様に。そんな幻想を、抱きながら。
懐中無一物。なだらかな起伏の続く、白い原をどこまでも歩く。 さくさくさく。さくさくさく。 右を見て、左を見る。夢の中にまろび出て、夢の中に生を止む。夜は冷たく澄みわたり、かなたのかなたへ風を運ぶ。 さくさくさく。さくさくさく。 続くはこの世の雪野原か、骨灰の積もる彼岸の地か。夢を見んとて生を受け、夢を見果てて生を捨つ。いずれのうつつを歩むとも、たださくさくと土を踏む。
なだらかになだらかに原は続く。どこまでもどこまでも風はゆく。道連れはこれ、おのが足音一つなり。 さくさくさく。さくさくさく。さくさくさく。 さく。
「さぶ;;」布団から出ると、肌寒い空気がちびっこの体を震わす。窓に近寄り、カーテンを開ける。「はうあ〜…雪っすーvvv」外は、一面、雪景色となっていた。「昨日の雪が積もったのスね…」昨日より、穏やかな顔つきで外を見つめる。「昨日は、怒られたのっス。でも、皆、優しいのッス…ありがとうなのっす…」昨晩、一人で混乱してる中、初めて人と話をした。親友は、背中を撫でてくれた。兄に近い人は、叱ってくれた。大切な人は、居るからって言ってくれた。 それなのに、乗り越えられない自分は、ダメだと思った。だから、乗り越える。
ダイジョウブ、もう…。 兄弟と分かる前からの時間から、一年以上抱えていた特別な『想い』に別れを告げる。 「ダイジョウブ、俺は、もう、ダイジョウブ」 ちびっこは、空を見上げ頷く。そして、意を決したかのように、窓枠に足をかける。「うし!!せーの、てや!!」 ボスッ!落下したのは、雪の上。「ちべた〜〜〜vvv」起き上がり、ズボズボと埋もれつつ、雪の中を歩き出す。そして、ボテっと倒れこむ。
雪の中からの空は、今までと違った空に見えた。「キレイすね…」ちびっこは、にっこりと笑う。「よし!どんな指輪がいいかなー?vvねーちゃんって呼ばせてもらってもよいのすかなー?v」気が早いというのは、気にしないで(何)起き上がったチビッコは、また、窓から部屋に戻っていった。そして、呆れ顔の兄と姉に看病されつつ、風邪で寝込んだとさ。めでたし、めでたし。(マテや
君は言った。自分にはもう余命幾ばくも無いのだと。君は言った。貴方は自由にしてくれていいと。君は言った。結婚できなくてゴメンと。 僕は何も言わず今日も料理を作っている。同じ家で 同じ時間 同じ量それは何時もと変わらぬ風景だ。ただ食べる場所が君の寝室へと変わっただけ。でもそんなの何の問題も無い。そう ただ君がそこに居てくれれば。 君は言った。さようならと。 僕はあの日から心の中に言霊を宿している。君は敏感だから、それに気づいているが何も言わない。 教えてあげない。 さよならの言葉なんて 君が消えたその後も 教えてあげない。
悲しいわけでもなく辛いわけでもなく嫉妬でもなくどうでもいいわけでもなく。 虚無感。というのだろうか、これ。 この世界に来て。たくさんの人達に出会って。共に、過して。別れて。 その時間の中でオレもかわったなと・・・かわれたかなと、思えていたのに、な。
トマ猫小屋のキッチンは今、荒れに荒れていた。原因は一冊の本にある。それは近日白薔薇城にお邪魔した時に物色し(マテ)見つけたもので『美味しい苺のショートケーキの作り方』とある。それを見てトマ猫は変に思い立った。(二人のお祝いに作ってあげよう!(いやむしろ自分だ食べt(消去 そんなわけで家のキッチンを占領し馴れないケーキ作りに没頭していたのだ。(何故というツッコミ皆無横でセルにゃのつまみ食いを見つつ、オリも便乗しつつ(マテ色々な念を込め(ぉ)やっと出来上がったそのケーキ!!苺のショートケーキ!!! 何故か色が緑だった。(ちょっとマテ
そんなことはまあ良いや(いいのかヨとりあえず遅くなったがお引っ越し祝いとこじつけてこっそり白薔薇城に届けて来ようじゃないか。(キラソ 夜(何故)、こっそり忍び込んだトマ猫はしっかりとラッピングした(表向きは)とても綺麗なケーキの箱を大きな玄関の前にちまっと置き逃げしてきた。 見た目は少々悪いけど大事なのは愛情だ。嫌がらせにしか見えないとか味見してないとかは気にしちゃいけない。大事なのは愛情だ。(断言 明日の朝、二人はきっと(ある意味)驚きの声をあげるだろう。 そう思い、満足して寝るトマ猫だった。
夜の街を行く恋人と二人夜の街を行く白い息を吐き、星空を見上げ夜の街を行く 幸せは此処にあるかつて求めて止まなかった幸せは確かに此処にある だがなぜだ?胸の奥底であいつが騒ぐ『お前の居場所は此処じゃないだろ』静かに、そして暗くあいつが騒ぐ 隣を行く恋人を見つめ、俺はそいつを黙らせる それでも、そいつはそこに居る ゆらゆらと ゆらゆらとそこに居る …涙が流れた
薄目を開ける。 気怠い。 目を開けることすら気怠い。このまま水に還ってしまおうかと考えるほど。いや季節柄氷かなと意識の何処かで笑う。 唇を笑いの形に動かすのさえ気怠い。 気怠いけれど、まだ生きている。気怠く感じるのはずっと動かずに居たせいだと分かっている。であるならば。 「流れを止めて淀んだ水は、水に非ず」 呟いて、身を起こす。気怠さはすぐに止むだろう。淀むのをやめたなら。 「我は水なり。絶えず流れ行きて止まらぬ、我は水なりき」 もう一度呟いて、立ち上がる。我は水なり。そう念じて。
テーブルを挟んで緊張した表情の二人私とエクセリカさんテーブルにはケーキ・・・何故か緑色をした「野菜ケーキデス?」匂いを嗅ぐ、甘いケーキ特有の匂い・・・青臭さは無い「えと・・・着色料とか水飴とかなのでしょうか?」嫌な汗を掻きつつ呟いてみる どちらとも無く呟いた 「・・・食べてみます?」
エクセリカさんに得体の知れない物を食べさせる訳にも行かず取り合えず先に自分の分を更に取りスプーンを入れる 柔らかいここまではきちんとケーキらしい 「・・・いきます、よ?」ドキドキしながら口に運ぶそして 口の中に入れる 一杯に広がるクリームの甘味、柔らかいスポンジの感触毒物を警戒し、舌先に集中していたが、その手の刺激は全く無い毒物であるなら、コリアス時代の経験で判別出来る筈の私は安堵する「あ、何か大丈夫そうというか美味しいですよこれ」 そして紅茶を入れてティータイム悪くない1日のはじまりとなった 数時間後、何故か気持ち悪くなる私がいたが
私は出奔するにあたって、1つだけセーラー陛下にお願いをした。 「私はヘルハンの名に恥じぬ旅をしてきます。だから、いつまでもヘルハンのレイラールを名乗らせてください」 故国に誇りを持って、胸を張って、そうして旅立って行けた私は幸せだと思う。 だからこの国で生まれた人が、この国から何処かへ行こうとする時、「故郷はガッツオだ」と胸を張って言えれば、幸せだとおもう。 私は古い友人が「ガッツオが故郷だから」と言った言葉が印象的で、最初にこの国を選んだのだから・・・
私の口から盛んに出る・・・ 「BF」 という言葉。 「私は(自称)イベント師です。」ザリガニではあるようで、ないような・・・ 「よく分からんが、ざりがーにがやりたいならやって良いよ。」そうイウシス殿が申された。 「まぁ、国内とはいえちょっと巨大企画なので企画書だけ置いていきます。そんでもって、推薦3名欲しいんですがね・・・?」 どうやら何かを考えてるらしい・・・ 乞うご期待♪
コツコツコツ……。机を万年筆で打つ音。乾いた、そして何処かイライラした音が響く。 文都に依頼された連載小説が完成しない……。 コツコツコツコツコツ……。 本当は何作か完成したのだが、完成するたびに、紅茶をその上にこぼしたり、暖炉で燃やしてしまったり、様々なトラブルによって既に7回目の書き直しとなっている。 コツコツコツコツ……。 筆が一切進まない……。「完成はもうちょっと待ってね……」 遠い目をしつつ男は呟いた(それが言いたかったのかよ)
冬晴のポカポカ陽気の中ドラゴわ一人、久しぶりに国王様の御城へと遊びに行って見る事にした。そぅ、役職を上げて欲しかったのだ(*ノノマテそしてふよふよと御城の前までやってくると何とも久しぃ方のネームプレートがそこに。(御城なのにセ:「こるれたんがココにぃっ☆(´▽`*)」萌ぇ萌ぇこるれたんvドラゴがガッツオに入国した時既にこるれたんわ居らっしゃった。萌ぇ顔・怖ぃ顔・オールバック顔・素敵顔(*ノノ)ぇ(↑全て茶目撃談でv(*ノノ多種多様に変わるこるれたんv何気に影なるファンだったドラゴわ迷わずこるれたん部屋へと突撃した。黒髪少女が居るとも知らずに(;*ノノ(震(ぇ
『私の事を信じていないだろう、だから私も信じない』 記憶。悪夢。置いてきた筈の、記憶。 「……陛下?」 目を開ける、最近やっと見慣れた天井。人の気配。食堂に、イウシスかユゼが居る。 安心して目を閉じる。 『私のやり方に文句があるなら出ていけば良いんだ』 涼やかな声。けれど、内容はもっと温度が低い。
信じていたのに、なんて言わない、そんなの、届かなかった。いやそれ以前に、今も、彼女は信じているから。 『お前なんか要らない』 オリエントブルーの瞳。 それに惹かれた日はもういつの事か。 嗚呼…、記憶が混乱する、俺は誰だ? ここは…… だ。 嫌なデジャヴ、記憶の声。 大丈夫だよ。 言い聞かせる。 ここは、もう違う。あの人は、陛下じゃない。 『お前なんか要らない』 そう言われたのは俺じゃない。
ペだった どうしようもなく ペだった何故かマスクはそのままで 何故かペで のたりのたりとベッドから起きる ……うわー ペって歩きにくー 素直な感想 こうどうしようもなくペだったけど ひとまず朝飯作ろう…… 第一関門台所たっかーー手届かねー 第二関門(いや第一関門クリアしてないし)ヒレ…………物もてねー ……片翼たたき起こして作らせるか(鬼
ユゼがもうそろそろ起きちゃうし早く作っておかないとなー (ぺたし(ぺたし(じゃんぷ(がちゃり(入室(ドス(何刺音(ペーーーーー(悲鳴(ドス(ドス(いてーーーーーーー(悲鳴 微妙に今朝の朝飯は血の味がした気がする。 しかし 早く戻らないと 家事ができぬ(汗)
探した、探した、開けられる扉は、全て開けた。けど、居なかった…。 空が青い日だった。チビッコは、勤務の合間に忘れ物を取りに自宅へ戻った。そのときは、いつもの変わらない自分の家で、忘れ物を掴むと、また、Uターンで帰っていった。そして、夕方帰宅した時、家の様子がおかしかった。 「た、ただいま・・・?」家の中は、人の気配が感じられず静かだった。兄が勤務で、帰宅が明日になるのは知っていた。だけど、いつもと違った。
「!!!!」家に入るなり、廊下を駆け出した。「ねーちゃん!!!」チビッコは、勢いよく姉の部屋のドアを開けた。開けられた部屋は、荷物が片付けられており、何も残っていなかった。「…今日だったスか…」その場に、ぺたりと座り込む。姉が引越しをするのは、聞いていた。だけど、今日だというのは知らなかった。”次の魔法が完成したら”それだけ聞いていた。 「ねーちゃ…」泣き出しそうなのを堪え、自室に戻る。部屋に帰ると、ペットの春雨が擦り寄ってきた。「……」優しく撫でて、抱きしめる。春雨も一緒だった。仲良しの眠紅と離れ離れになったのだから。
場所が隣だから、一生の別れというわけではない。いつでも会える。だけど、一年以上一緒に暮らしたという時間があるからこそ、寂しくなった…。 チビッコは、ずりずりと自室から毛布を引っ張り出した。姉の部屋に入り、月明かりのあたる場所まで移動した。優しい色の月が、ぼやけて見える。 「泣いたらダメだ…」ぐずぐずと鼻をこする。春雨を抱っこしながら、チビッコは目を閉じた。 新しい生活だって待ってる。とても楽しみだ。だけど、今は、寂しさにつかっていたいと思った。 また、明日からの新しい生活を向かえるために…。
とある酒場。夜も更けて一日の疲れを癒すため、あるいは儲け話を求めて様々な人々が集まっている。そんな人々が作り出す喧騒の中、カウンターのすみに一人の旅人がいた。旅に向いたしっかりした作りの皮の服の上に、くすんだ緑色の外套を纏い、酒場の喧騒を楽しむかのように果実酒の入った杯をかたむけている。長い若草色の髪は背中で無造作に束ねられ、合間からは長く尖った耳がのぞいている。新緑エルフと呼ばれる種族だ。そして、その傍らに伴侶のようにたたずむのは一台のリュート。
「詩人さんかい?」それに目をとめた客の一人が彼に話しかける。たくさんの娯楽があるとは言い難い世の中、旅の詩人のもたらす物語は立派な娯楽となる。だが、彼の答えは客の期待からは少々外れたものだった。「私は吟遊詩人ではありませんよ。ただの楽師兼語部です」楽師とは楽器を奏でることを業とする者。語部とは物語や歴史を語る者。それを兼業するということは吟遊詩人とやっていることは変わりはないはずなのだが。「私の本業はあくまでも楽師です」首を傾げる客に彼は再び言った。
大した差はない。客は思ったが、どうやらこの旅の詩人――いや、楽師はなかなかの頑固者のようだ。「まあ、いいや」「よくありませんよ。だから…」「ああ、わかったから、とにかく楽しいやつを頼むよ」なおも反論しようとする楽師に半ばむりやり銀貨を握らせると客は自分の席へ戻ってしまった。それを呆然と見送り、彼はやれやれ、と言った様子で肩をすくめた。そしてリュートに手を伸ばす。
細い、白磁のような指が弦を弾いた。水を打ったように店内が静まりかえる。と、一呼吸おいて、軽やかな旋律が流れはじめた。このあたりではあまり聞くことのない、遠い異国を思わせる曲。それは果たしてあの楽師の故郷か、それとも彼が旅したどこかの国か。誰かが立上り軽くステップを踏みはじめた。それは次々と他の客にも伝染し、しまいにはちょっとしたダンスパーティーのようなことになっていた。
「いやいや、こいつは一本取られたかねぇ…」先程楽師に銀貨を握らせた男が呟く。あのエルフの腕はたいしたものだ。自分はあくまでも楽師だと言い張るのも頷ける。いや、むしろ吟遊詩人として語りをいれてしまえばかえってその腕を殺しかねない。「あとで一緒に一杯やりたいもんだ」その時は今回の報酬の意味を込めて奢らせてもらおう。そんなことを考えながら男は踊りの輪に入るために立ち上がった。酔っ払いたちの興奮は醒めるところを知らず、盛り上がっていくばかり。夜はまだ長そうだ――彼は苦笑いを浮かべた。
廼武那雅預かり主探し中そんな看板を家の前に立てる ……猛ダッシュしてくる約3名それぞれがそれぞれ相手が目に入ってない模様 ダッシュで記帳しダッシュで去っていく ノートがぼろぼろだよ……(汗 んー誰が一等かな……ファムっさか(笑 ノートを懐に仕舞い込みのぶの部屋へと行く大農場の一角恐らく人間より拾い部屋を確保しているひよこ虫(と黒猫)の部屋へ 最後の餌をやりにまぁ たまにはドラゴンの肉で
ひよこ虫と黒猫がじゃれついていた手に持ったドラゴンの肉を見ると前々から話を聞いていたのぶは既に状況を理解したらしい 「……ふっ、400日毎日貴様の顔を見てもう見飽きた……」「おうおう、分かったからとっとと餌食え、餌」 のぶが飯を食い終わったのを確認するとトサカを掴み籠に放り込む 「さっさファムっさの元では大人しくしとけよー」「断る」「あー そうですか……」 籠を持ち家の廊下を玄関に向かいながら歩くいつも通りなどうということの無い会話をしながら
玄関に行くと見た目にも期待し緊張している少年が立っていた「ファムっさーのぶのことよろしくな」「ファムよ、俺が今日から主人だよろしく」 ……「てめぇ…いきなり無礼だな」「……黙れ、元下僕」 ……(ぴしり最後の喧嘩が始まるとは言え勝敗は決まってるのだが蛇とマングース……
「っく…ヒヨコ虫風情が」「ふっ虚弱」 この場合人間が蛇だったりするが 「あーもう…良いから行ってこい」「おうよ、行ってくる」 少年の元に歩み寄る虫マスクの男から遠ざかる虫 「帰って来いよ馬鹿ヤロー」「……おうよ」 何だかしんみりしてた雰囲気だがヒヨコ虫は実はしっかり心の中で新しい大農場ではどう暴れるか考えてたりした そしてマスクの男もファムっさとピィさおまけに秋刀魚、大丈夫かなーとか無責任に祈っていたりした
イウッサがのぶたんを連れてきた。「ファムっさーのぶのことよろしくな」「もちろんのですよーvのぶたん、改めてヨロシクデスv」「ファムよ、俺が今日から主人だよろしく」 ビシ。 空間の亀裂音。始まる二人(一人と一匹)の喧嘩。「あはは・・・(’w’;」ちょっとだけ、不安な先行き。 そして勝者の虫と敗者の友人。(ぉ御互いにいくつか言葉をかわし、別れる。のぶたんはボクの元へ。イウッサは遠くへ。
少年は、去る友人の後姿を見つめた。道の先に、見えなくなるまで、ずっと。目に焼き付けるように。「イウッサ・・・ボク、預かるだけですからね。ちゃんと・・・引取りに来るデスよ・・・」呟く声は、誰にも聞こえないように。小さく、小さく、消えていった。 一方。 虫は、去る元下僕の後姿を見つめてるようで、見てなかった。やはりカカシを蹴る殴るは当たり前、とか。そんな事を考えていた。 「さ、のぶたん。ボクのおうちはこっちデスよーv」「おう。」 一人の想いと一匹の思惑が交錯した帰り道だった。
ある家の台所でガサガサと音がする。正体は、その大農場に住むチビッコである。「し…お…と…さとう…っと」赤い容器には「砂糖」、青い容器には「塩」と書いている。チビッコは、ハッと別なことを思い出し今度は、紙に書き出す。『味見はしよーな(ナデ』にっこりしながら食べてくれた人を思い出す。「昨日、言われたっすからね…」”味見をすること”黒ペンでデカくかかれた紙は、そのまま、見やすい位置に張られた。「これでオケっす」そして、次回の味見を忘れないことを祈りつつ、今日、腹痛で倒れていないか心配な人の様子を見に行くために、いそいそと準備をしだした。色々願いつつ。…(肩ぽむ(誰に?
「おう、ファウ卿少し良いか」唐突に話かけてきたのは最近すっかり姿を見せる事が少なくなったユゼ「何です?ってかユゼさんが卿とかつけて呼ぶ時って大概変な事言い出す時なのですよねぇ・・・」 ガス 「何か言ったか?」とても爽やかな顔で言うユゼの足は私の足の甲を踏みぬいている痛みを顔に表さぬように無理矢理爽やかな顔を作り返答「イイエ、ナニモ」 「それでだな、少しの間部屋貸してくれ」「?まぁ部屋は腐るほど余ってますから良いですけども」疑わしげな目を向けると決まり悪そうに頭を掻き「支払い終わったら出奔するから」 沈黙 そして私が何か言う前に言葉が重ねられる「息子も出たしな」
「・・・は?」言葉の意味を理解するのには大分かかったそして、言葉は出てこないユゼはそんな私を面白そうに笑いながら「まぁ、な、出ていけ言われてまで残りたくないしな」 交わされる目線、そして大体の事を理解するだけど言わずにはいられない一言「・・・イジメですか?イジメなのですね?」速攻答えは来た「知るかあぁ!」やたら素敵に笑いながら答えるユゼにバナナを刺して蹴りを食らって 双方共に溜息 「まぁ・・・後の事は話し合いましょうか」「そだな」 黄昏の日は落ちて行く歯車も又、崩れて落ちて行く
こじんまりした農場に懐かしい友人が訪ねて来た。「よう、上手くやったな。」「なにがだ?」「聞いたよ。またお前だろ?」「違う…。」「俺にまで隠すなよ。前回の様に…」「今回は俺じゃない!」沈黙が包む 「…でも何時かはする気だったんだろ?」 「前に話したよな。俺は、ここが好きなんだ。そんなことする訳がない!」再び沈黙 「変わったな…。」「変わりたかったからな。」 俺は変われたのか?
その夜、犬の耳と尾を持つ魔人の少年ミクラは、俯いて小さな声で目の前に居る銀と青い髪の眼鏡をかけた天使に言った。「もし、蛍が宜しければ、一緒に、ペトゥン行きませんか…?」 ミクラの足元には、必要最低限の荷物が置いてあった。蛍と呼ばれた少年は驚いた様子を見せた。ペトゥンは、ミクラが兄と呼び親しんでいる者が呼んでいる国だった。 少しの間を置いて、蛍は返事をした。 それから2時間程後、ミクラは城壁の外にいた。暫く町の方を無言で眺めて居たが、日付が変わると背を向けて歩いて行った。 旅支度を済ませた蛍と二人で。手を繋いで行った。
ふと、天使の少年は目を開けた。まだ日の光は朝にも満たない。明けぬ夜はないように毎日は必ずやってくる。 「……はふ…」 少年は一つ溜息を吐いた。 ふと遠くを見やる。犬耳の少年が一人、此方を見ている。天使の少年は嬉々として犬耳の少年に翼を広げ駆け寄る。 俯き加減でぽつりぽつりと語る犬耳の少年の話に良い機会なのかも知れないと思いつつ天使の少年は笑顔で頷いた。 少年の明日もやっと動き出したかの様だ。
「さようなら…」『おう、元気でな!気が向いたら、また帰って来いや。俺も兄貴も、此処にいるだろうからよ』「はい、気が向いたら、また…」 言って、去って行く背中を見守る…この数日で、一体幾人の顔見知りをこうして見送ったであろうか…別離を特に悲しいとは思わぬ…だが…俺が見送った者達のほとんどが、この国を見限っての出立なのだという事実が、寂しさを感じさせる… 『また、出て行っちまったなぁ…これで何人目なんだろうな…』紅装束の剣士が、誰に言うでもなく呟く。
「…お前は出て行かぬのか…?物事の正しい道理すら分からぬ者達を護るほど、お前は酔狂な男ではあるまい…?」『んー………まあ、正直考えたけどな、出奔も…でもよ、皆が皆、そう言ったアホってワケでもねぇだろ?それに…俺にとっては、護る価値のあるヤツが一人でもいれば、それで事は足りる。それは、兄貴だって同じだろうが。だから、残るんだろ?』「………フッ………お前にはお見通し、か…」『何年、顔つき合わせてると思ってんだ?そんなくらい分かるっちゅーの』
言って笑う義弟を、心の底から頼もしいと思った。俺が唯一人敬意を持ち、安心して背中を任せられる男と共に此処に在る事を感謝しつつ呟く… 「これからも、此処は護り通さねばならぬな…彼らがまた、この地に戻って来れるように…そして、俺自身の為に…」 気が付けば、日差しも大分柔らかくなって来ていた…春の訪れは、案外近いのやも知れぬ…
「私自身強くならないとな(苦笑」 そう言って私は日記を書き終えた「強くなる」呟いてみる「強さとは何だ」ふと、自分の疑問を自分自身に問いかけた「力の強さ、心の強さ後は(以下略」自問自答何時も自分だけで考え答えを出す果してこれは正しい事なのかと思いつつ「う〜〜む、また、何時もの状態だ(汗」 「たまには、議論でもしてみるか」そう言って家主の部屋に奇襲をかけに行った「また、説教かな(苦笑」
「…大丈夫ですか?」心配そうに、少女が聞く。珍しい台詞に、苦笑する。「…何が?」「…貴方が、です」真剣な表情で、少女は見つめる。…いつもと、逆。「…出て行くことを選べとはいいません。けれど、もし私が貴方に押しつけた事で貴方がそこに残るというのなら、私は嫌だ」静かな、風。少し前までは、さわがしかった食堂に、今は自分と少女の声だけ。
「…あの時、私は皆が陛下の元を去り、…この世界を去っていく中で立ちすくんだ、そこしか場所が無かったのに、居場所が壊れたから。だから、留まって耐えた。でも耐えきれなかった。…貴方のいる場所にいる人達は私のあの人たちではない、けれど…あまりに状況が似すぎていて、私は貴方が心配です」窓から見える農場も、今は一角にエルネルが植えられているのみ。…それの収穫も、近い。「…貴方も、知ったのでしょう?…知ってしまったのでしょう?」台所に、火が入らなくなってどれほど経つのだろう。「…人のぬくもりを、…あたたかさを。…名を、呼ばれる事の嬉しさを」…目を、閉じる。元々片方しか無い目を。
そして、少し、笑う。「…そう…だな」今日も、またさよならを言った。いってらっしゃいを言った。「…俺はここで温もりも幸せも知った。だから正直、今はツライ」だけど「…だけど今残ってるのは、きちんと俺の意志やよ、あんたに影響される事なく。…これでも無い頭で考えたんさ」そう、ずっとずっと、この部屋に閉じこもって。「…今出ていくのもええやろ、…だから出て行く者も多い。でもさ、それだけだと、寂しいやん?」門で佇む誰かとか、必死になってる誰かとか、涙をこらえてる誰かとか。いるんだから。「…だから、残る…つーても、ここは少ししたら出ていくけどさ」
エルネルが収穫出来たら、ここを出て兄の家に置いてもらう。収穫をきっかけにしようと、決めた。でないと、心地よい思い出のあるこの家にずっと一人で居る気がしたから。「…そうですか」少し安堵したような、少女。「…きっと、ユゼもイウシスもリフも、ぐちぐちしとる俺見たら怒るやろしね」だから、強くありたい。「…だから、この家は出るけど、ガッツォは暫く出ない。落ち着いたら、そこでまた考える。俺は何処にいたいのか」存在を消さない為に。
「心配掛けて、すまんの」笑う俺に、少女が苦笑する。「…なんだか、いつもと逆ですね」笑う。 今も笑う、だって、いつかはこれすら思い出になる。これすらいつか笑い話しになる。 だから。
「これが実れば・・・」と、言いながらオーボーの実に、水をやり始めた。 「……思えば、この実を植え始めた頃から状況が変わったな…」 水やりを終え、部屋に戻り畑を見つつ 「この実の収穫する頃には、この国はどうなるだろうか?」 返答の無い質問を呟いてみる。 「自分は、変わり無く生きる、できれば、そうしたいものだ。」 今日も寒空の中思いにふける農業都市長だった 「あ、予算申請してない」 ・・・・自分の仕事は大丈夫か(汗
目元が少々不気味な兎の抱き枕。小さい机の上に置かれた鈴。青と白のしましま模様の毛布が掛けられたベット。その他家具……部屋に住んでいた者が物を大切にしていたのか、或いは几帳面だったのか。部屋は片付いていた。片付いているだけあって、うっすらと積もった埃を濡れ雑巾で拭うだけで掃除は済んだ。いつ部屋の主が帰ってきても使える様に。そう思って私は部屋を綺麗にする。 いつか帰ってくると、あの子が帰ってくると。そう信じて、私は今日も、明日も、明後日も― けれど。ここに居なくてもきっと幸せだろう、と。そんな戯言を胸に秘めつつ―
荷物を纏める。ナイフを持ち、アイテム開発用の工具をしまい、あとは衣服をしまって、終わり。元々荷物は少ないから、数時間ですべて済んだ。 「……」 何もない部屋に座って、窓の外を見る。少し前までそこから見えたエルネルは、もう無い。 ただ、遠くで木々が風に揺れている。 「…さて、行くか」 苦笑して、立ち上がる。このままずっと座っている訳にも、いかない。 手にしたメモと地図は、ここを出る決意の証。ドアを開け、外に出る。
振り返ればやっと見慣れた農園。違うのは、ただ誰もいない事。懐からペンを取り出し、表札を書き換える。 ただ一言、自分の思い浮かべた一言を。 そして、そのインクが乾く前に飛び立った。振り向くことはしなかった。ただ、呟いた、誰にも聞かれない声で。 「…いってきます」 生まれて初めて言ったかもしれない言葉を遺して。
今日、育てていた農作物が収穫できた 太陽の祝福を受けながら育った命の結晶は鮮やかな色で私を楽しませてくれる 最近は国から旅立ってしまう人たちも多いけれどもこの実の様に育つものもあるんじゃないかな この国を離れた人達も熟して木から落ちただけ新たに自分自身が根を張って新たな命を作るんじゃないかな イガトゲのお菓子美味しい(ほくほく
正門の脇に座っている。昨日までは見送る側だったこの場所で、今日は見送られる側になる。初めての、見送られる側になる。 「・・・なんて言おうかな。」お別れの言葉がなかなか思いつかず、空を仰ぐ。待ち人は、まだ来ない。石壁にもたれ掛かりながら、雲が南に流れてくのをじーっと見る。「君も行く先は同じなんだねー。」これで道連れが出来た。たとえ人じゃなくても、道連れが居るというのは嬉しい。 一人で、行くわけだし。 家に帰れば会える人なのだけれど。 それでも。 言っておきたい。
「・・・・えあ?」気付けば、既に目の前に待ち人は立っていた。思わず間抜けな声を出してしまい、さらにあわてる。「え、えと、えっと・・・」そのうろたえぶりに、クスッと、彼女が笑った。「・・・あは、あはははは・・・」ボクも、つられて笑う。「あはははは・・・・」 「それじゃあ、行って来ます。」ボクはそれだけ言って、初めての旅路を歩き始めた。振り返り、滑稽なくらい何度も手を振り合い。 「・・・さあ、行こうか。」道連れは雲。風向きは南へ。 お別れの言葉なんて要らない。 この日、抱きしめあった感覚は絶対、忘れない。
「…そろそろ春だな。」自室で飲んでいた紅茶のカップに視線を落とす。自宅のある極寒のこの地にはまだ春の訪れは無いけれど。今は紛れも無い春。「…どうする?」何を、とは問わずに傍らの黒狼が言った。「傷も癒えたし、出国する。」カップを見つめたまま答えた蘭に「だと思った。皆、支度は出来ているぞ。」そう言って旅の荷物を見せる。「用意が良いな。」自分の考えはばれていたらしい。その事に苦笑し「…なら、行こうか。」そう言って出国の手続きに城へ向かう。
出国手続きはすぐに終わり、今は正門前。「…さよなら。」そう門に向かって呟き、振り返らずに足を進めた。「次、どこに行く?」後ろをついてくる白い狼が蘭に訪ねる。空を見上げれば夜明け前。「…歩きながら決めるか。」そう言って前に向かって歩き出した。 次の場所に向かうために。
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