[19] 【日常RP】ガッツオ暮らしの手帖 
 1614: シモン 2004/01/23 19:17:15 

とりあえず、暮らしの手帖も復活ケロ。

皆さんの仕事のご様子、家庭での家族との出来事
いつもと違った出来事から、普段どおりの日常の出来事
身の回りで起こるいろいろな出来事を
皆さんの言葉で、この手帖に綴ってほしいケロ
 1648: 目標。:コゼン 鼓前 2004/01/23 23:49:55 
ここは、パナルモにある大農場の畑の一角。
そこにはちびっこがひとり佇んでいた。
「はぁ〜…あといくらなんだっけ?」
自分の小さな手の中にある小さな手帳を覗き込み、ため息がでる。
「あと3千万くらいっすかな…」
ぶつぶついいながら、歩き出した。
目標は住宅購入相談所。
現在の住宅価格を見に来たようだ。
「え???」
ちびっこの目には考えていた数字よりかなり低い学だった。
40,000,000G
あれあれと困惑するちびっこだったが、すぐさま来た道を駆け出した。
『これだったら、買えるかもっす!』
ほしかったものの購入を考えていたときに、相談した親友が資金を貸してくれると言ってくれたのだ。
 1649: 目標。A:コゼン 鼓前 2004/01/23 23:53:19 
「るるー!!」
やかましく、ドアを開け中に駆け込んだ。
そんな騒がしいヤツを相手に、キツネ耳の親友はにっこりと了解してくれた。
ちびっこは、興奮気味で残った仕事を片づけるために自宅へ戻った。
日も暮れたころ、仕事も終らせ、親友の家に行く前に再度住宅購入相談所に立ち寄った。

「?」
ちびっこは、昼間に見かけた数字と違うことに気づいた。
目をパチパチと瞬きさせ、頭の上には?マークが浮いている。
70、000,000G

そこには書かれている。
「煤i´□▼;)」

 1650: 目標。B:コゼン 鼓前 2004/01/23 23:53:45 
そう、ちびっこはその下にあるダンジョンの購入金額を見ていたのだ。
価格表には、
「アイテム保管所新築購入

現在の基本金額:40,000,000G
ダンジョン新築購入           」

と記されていた。
ちびっこは、泣く泣く家路についた。

しかし、夜には気持ちは浮上しており、それが今の目標になっている。
「うっす!体育倉庫目指して、がんばっす!」

でも、いつになるのやら(爆)

 1662: たまには/シャス シャスレイ 2004/01/24 01:57:41 
「コロシアムにでも行くか」 そう思い立って家を出た。

・・・・・・・数時間後、傷だらけの体を引き摺って帰ってきた俺は「やはり、コロなんて行くものではない」と心の中で確認するのだった。 彼はコロシアムに殆ど足を運ばない。理由は簡単だ、負けた跡が残るのが嫌だから。よって平均5日に一回程度しか戦わないのだ。

「やはり商人は体より口で勝負だな」
そう言いながら会議室に向かう彼の台詞は負け犬そのものだった・・・w。
 1725: 悪夢:片 片翼 2004/01/24 21:42:24 
「         !!!」

悲鳴。
ベッドから飛び起きて、気付けば涙が流れていた。

「…っ…勘弁してくれっ!」

腕で乱暴に涙をぬぐって、息を整える。
嫌な夢。
真っ赤な血が、まるで悪夢。

いや、まるでも何も悪夢だったのだけど。

ただの悪夢なら別に良い、前の悪夢なら週に一度は見ている気もするし。
だけど今日のは違っていて。

「…に…兄様………が、あんな風になるわきゃない…」

先日、ゼロスパイアへの挑戦をする群衆の中で見かけた兄。その、敗北した姿を夢に見てしまうなんて。
今の、悪夢なんて見た事無かったのに。
 1726: 悪夢:片 片翼 2004/01/24 21:42:59 
体を叩き起こして窓を開けた。
白みかけたそこは今はまだ普通の風景だった。

コンコン

息をまだ整えていたところにノックの音。
驚いて飛び出そうとして…こけた(ぉぃ

「ほむら?」

その音に驚いたのか、兄様がドアを開ける。
いつもの…いつもの兄様。

「…ぁだだだ…、な、何さ兄様、こんな朝っぽらから…?」

自分でけつまずいて転がった椅子を元の位置に戻しつつ、俺は精一杯普通に笑った、…つもりだった。

「何さっておめー…朝っぱらから大きな音立ててるのはお前の方だろうが(汗」
「…わりぃねえ、ノックの音にびびってよお(汗」
 1727: 悪夢:片 片翼 2004/01/24 21:43:37 
ため息をついて部屋に入ってくる兄様。なんとなくそれをじっと見ていたら…頭を撫でられた。

「…っな!?(汗」
「…またなんか悪い夢でも見たのか?」

怒鳴りつけようとして…なにかが剥がれ落ちた。いつもそうだ、いつもいつも、どうしてこいつらは気付くんだろう。
特に兄様には…いつだって何を言っても無駄だった。

「…起こしたなら、ごめん。…せやけど大丈夫やから…」
「泣くほど怖かったんなら言え、遠慮すんな、お前俺の弟だろうが」
 1728: 悪夢:片 片翼 2004/01/24 21:43:54 
涙をぬぐった跡に気付かれた。恥ずかしくてそっぽを向いた。
大の男がいくらなんでも泣きつけるわけがない。…例え弟でも、…いや弟だから、これ以上迷惑をかけたくなくて。
しかもあんな夢を見たなんて言えない。

「…ごめん」

それしか言えなかった、言葉にしてはいけない気がして、ただひたすら黙るしか出来なかった。

(※兄様勝手にネタにしてごめん_| ̄|○(国外にいる兄へ(聞こえねぇよ(まあ悪夢見たのはホントなのでこんなRPに…)
 2253: 家族:片 片翼 2004/01/31 03:27:31 
「息子になりませんか?」

突然、真顔になっての一言。
絶句、するしか無くて、同時に、心の底から、泣きたくなって。

「…家族を持つ、資格がねぇ、から」

それしかもう、返せなくて。
兄様の言葉も半ば耳に届かなかった。
一度家族を棄てて堕天した俺は、二度と家族を持たないと、決めていて。
兄様の義弟になっているのに、そんな決め事無意味だとも思うけど。でも、もう二度と棄てたく無くて。

…棄てられたくなくて。
 2254: 家族:片 片翼 2004/01/31 03:27:45 
「嫌いなわけじゃない…だけど…」

むしろ嫌いであればどんなに楽か。
好きだからこそ、切り捨てられなくて。
冗談ならまだ笑って流せた。冗談で…あって欲しいとも思う。

怖い、家族になる事が怖い。
家族の絆にあまえてしまいそうな自分が怖い。
今のままで十分にしあわせなのに、それ以上求めてしまいそうな自分が怖い。

だから子供のように拒絶する。
それしか俺に出来る事は無い。

涙が出た。
皆が、見過ごしてくれれば良いと思った。
 2889: 内緒のお話。:コゼン 鼓前 2004/02/05 07:07:01 
ちびっこは、駆け足になる胸を抑えつつ迎賓館の入り口に向かった。
先約だった予定が、急にキャンセルになったのだ。
「時間がある時を教えてくれ」
そういわれた時間より随分早くに着いてしまった。
「うっと…」
あたりを見回し、誰もいないことを確認すると、そこにおいてあった伝言板に書き込んだ。
ただ、名前だけを…。
それ以上に書き込むことが浮かばなくて、その場を離れた。
自分のアトリエやら自宅やらを行き来する。
気がついたときには、迎賓館の伝言に返事が書いてあった。
相手も早く見つけてくれたのか、ちびっこ宛てに連絡先が残されていた。
ちびっこは、急いで連絡された場所に向かった。
 2890: 内緒のお話。A:コゼン 鼓前 2004/02/05 07:07:44 
指定の場所は見慣れない場所だった。
「鼓前殿」
そう呼ばれて振り返る。
それは、とても大好きな人だった。
でもいつもと様子が違う。
「???」
ちびっこの小さな頭が混乱を起こす。
「ごめん」
大好きな人は、そう言葉を漏らす。
ちびっこは、回転しない頭を整理しながら、質問を繰り返した。
大好きな人は、謝りながら、ちびっこに答えてくれた。
「ごめんな」
そう寂しく言う大好きな人…。
ちびっこは、頭をふる。
「でも、大好きだからよいのっすよ!」
大好きに理由はない。
その人が居てくれるのなら。
大好きな人は、何かない限り、どこにも行かないと言ってくれた。
ちびっこは、それで満足だった。

 2891: 内緒のお話。B:コゼン 鼓前 2004/02/05 07:08:12 
大好きな人が大好きな人だから…ちびっこの理由はそれだけだった。
それで幸せなのだ。

それから随分話をして、日付が変わるころに帰路についた。
「ありがとう」とお礼を言って…「大好き」を伝えて…。

帰宅してもぐりこんだ布団の中で、どこかの誰かにやきもちを焼いたのは内緒である。

ちびっこの内緒のお話。
それは、月夜に吹いた風だけが内緒で知っている。
大好きな人の内緒のお話。

 3042: 群集:ノイズ ノイズ・H・フェネス 2004/02/06 23:08:01 
舟のまわりに人々が群れ集う。
殆どが好奇に目を輝かせたやじ馬。
そして野心を目に宿す者が一掴み。
最後に真摯に救いを求める者が一つまみ。

古い友人に連れられ、私も群集の中に居る。
「…あれがそんなに良いモノかねぇ。」
思わず漏れた私の本音を聞きつけ、友人は薄く笑う。
「さもなきゃ奪われるからな。」諭す声

「勿論奪われるのも御免ですが、救われるのも私は御免です。・・・そもそも救うのと奪うの、どれ程の違いがあるのでしょうかねぇ。」
 3071: 変化:片 片翼 2004/02/07 03:12:23 
コロシアムからいつものように帰宅して、装備品を一式ベッドの上に投げた。
シャワーでもあびて迎賓館に行くかー、と、取り込みはしたが畳んでいない洗濯物の山からバスタオルを抜き取って、バスルームに行く。
そこでいつも思う。
洗面台にある鏡を見るのは、嫌いだ。

成長していない、…華奢で背ばかり高い少年の体を見るのが、嫌で。

「…兄様程とまでは言わんが…もうちょっと…どうにかならんもんか…」

ため息、ひとつ。

『かたよくっさと俺、同い年っすね!しかも、三日違い!双子みたいっす!!』

前に、そう、嬉しそうに言われて、少しだけ困った事があった。
 3072: 変化:片 片翼 2004/02/07 03:14:02 
確かに、玄関脇のプロフィールには16歳と書いていたけれど、…実際に、自分の年齢なんか数えた事も無くて。
だから双子だと…頷けなくて、ただ、苦笑した記憶がある。

「…別に年齢なんかどーでもええと思ってたしのう…」

いつまでも変わらない体も。
いや、片翼になった時には大幅に体は変わったのだけど、でもそこから成長も変化もしない体。
堕天のせいなのか…それともそういう種族なのかもわからなくて。

…とりあえず、声変わりはもう終わらせたい、のに。

などと考えて、頭から湯を被った。
 3073: 変化:片 片翼 2004/02/07 03:14:28 
「…ばからし、変化なんかキライやん、俺…。…望んでどうするよ…どうもならんのに…」

動かない右手も、見えない左目も、無くした右羽根もどうしようとか、思わなかったのに。
どうして今、こんなにも。

「…どうせ…ずっとこのまま成長なんか、せんのやろうな…」

諦めに似た気持ち。
それもやはりどうしようもなくて。

だから
湯上りのほてった手でプロフィールを書き換えた。

差が出過ぎてあまりに無理が出たその時まで、限定で。


 〜片翼。
    翼を無くしたモノ。
    鼓前殿と同い年/男/178cm/70s〜
 3197: 流浪の果てに〜act.1〜 “道化師”潤 2004/02/08 23:47:02 
いつから歩き続けていたのかも忘れていた。
自分が誰であるか、何処へ向かっているのかすらも。
冬の日差しが緩やかに降り注ぐ中、ただ飢えと乾きと疲れを感じて、その場にくずおれた。

自分には何か力があったような気がする。
けれど、今はその力の振るい方すら忘れてしまった。
一体、自分の身に何があったのか…
『覚えていたのなら苦労はしないだろうな』
そう、自嘲気味な言葉が脳裏に浮かぶ。

冷たい地面を感じながら、そのまま仰向けに寝転がり、身体を休めてみる。
下手をすればそのまま行き倒れに…は、さすがにまだならないか。
俺はそこまで弱い存在じゃないからな。
…そう、少しだけ思い出した。
 3198: 流浪の果てに〜act.2〜 “道化師”潤 2004/02/08 23:47:48 
俺はデーモン。一般的に「人と契約を結んでは破滅に導くもの」と言われる存在。
けれど俺はいまだにそういった「契約」ってもんに関わったことがない。
何故なら、めんどくさいからだ。
そんなことやって人様の願い叶える暇があったら、もっと自分で楽しいことをやりたい…そう、俺はデーモンという種族にしては異端だった。
だからかも知れないが、気付けば俺には故郷や帰るべき場所などなく、ただ宛てもなく彷徨うだけの浮雲のような日々。
たまにどこかの街に居座っては、至極適当な日々を過ごす。
そんな俺を見て、何処かの誰かが“道化”と呼んだこともあったな…
 3199: 流浪の果てに〜act.3〜 “道化師”潤 2004/02/08 23:49:09 
一時的に失っていた記憶を少し取り戻した俺は、ゆっくりと起き上がるとまた歩き始めた。
人の気配が近い…そろそろ街につくらしかった。
今回の道のりは長かったから、この街にはしばらく厄介になるとしよう。

やがて城壁が見え、街の門には警備兵が立って中に入ろうとする者の名を書きとめている。
俺も例外なく名を聞かれたので、答えてやった。

「俺は潤…“道化師”潤だ。しばらく厄介になるぜ」


あとがき:コソーリsage投稿のつもりが間違えてageちゃったぁぁ_| ̄|○|||
 3206: たまには書かないと鈍る?/シャス シャスレイ 2004/02/09 02:58:49 
「それじゃ今度は紅茶でも飲みながらね」・・・バタン。
国王執務室入り口前。今疑問を投げかけた男はドアを閉めると共に真剣な顔が急に締まらなくなりボーッとした顔で廊下を歩いていた。
玄関までの道を少し遠回りして何気なく会議室を覗いた。何時ものような風景がそこにある。言いたい事はあったかもしれないが、「今は疲れているので関わらない」と心の中で呟きそのまま通り過ぎる。
城下は何時もの平和な空気が漂っているように見えた。空を浮かぶ要塞を除けばの話だが。
「とりあえず、一息入れますか♪」
彼の足は自らが建てた銭湯に向かっていた・・・。
 3225: 新しい風:トート トート・ルクバト 2004/02/09 12:46:38 
朝日に彩られる山々の稜線
それを眺めながら思う
「今日もいっぱい飛ばなければ」

この世界に来て色んな事が有った
嬉しい事も悲しい事も
有りすぎて少し疲れても居た
でももっとこの世界の事を知りたい

家に帰ると玄関の隙間にメモ書きが挟まって居た
「では、期限無しの融資ということで…。」
メモを握り締め、幸せを噛みしめる
「有り難う御座います、神と貴方に感謝します」

新しい風が吹いた
先の事は分からない、けれど絶好の好機が舞い込んだ
「私…頑張ります!」

そう言うとドアから勢いよく飛び出して行った
 3297: Title Of Mine 1:片 片翼 2004/02/10 02:06:49 
「…ねむ…」

いつものように迎賓館への道を辿る。
普段と違うのはその眠気。久し振りにちょっといろいろ動いたら、疲れが出たのかものすごく眠くて。
でも足は迎賓館に向かった、誰かに、会いたい気がして。

「…ちーす」

なるべく普段通りに迎賓館に入った。
すぐ見えるところに、兄様と鼓前殿、鳩羽殿が居た。
なんとなく安心して、隅の椅子に座った。今日はなんだかにぎやかで、外の寒さもすぐ吹き飛ぶほどで。

あったかい。

だけど温もりは、苦手。
 3298: Title Of Mine 2:片 片翼 2004/02/10 02:07:40 
だけど温もりは、苦手。
それが無くなる瞬間の恐怖が全身に焼き付いていて、今も、人に触れるのも、触れられるのも嫌い。
臆病者の、自覚はある。
だけど、撫でられるのも苦手、抱きつかれるなんてもっての他。でも迎賓館にはそういうスキンシップの好きな連中が多くて。
嫌じゃないけど、どうしても拒否してしまう自分が居て。
来なきゃ良いのにとか思われてるかなあとぼんやり考えて…いたら、ふわりとした感覚が体を包んだ。

「片翼v君、そんなすみっこに居ないであっちで皆と話しましょう?」
「…鳩羽殿…とりあえず、抱きつき禁止、はーなーせー!(汗」
 3299: Title Of Mine 3:片 片翼 2004/02/10 02:09:09 
いつものようにじたばたと暴れて、抱き着いてきた鳩羽殿から離れる。いつもの光景、だけど…いつも怖い。その腕が二度と…届かなくなる日を考えて。

「…そんな…おとーさんは悲しいですよう?(泣)」
「…泣いても、駄目なもんは、駄目!(汗」

ぜえはあと肩で息をして、拒否する。
泣かれるのは嫌いだが、触られるのも嫌いだ。
だけど涙目で訴える鳩羽殿の後ろをついて、輪の中に入った。
皆と話すのは嫌いじゃない…だから、いつもここに、来てしまうのだから。
 3300: Title Of Mine 4:片 片翼 2004/02/10 02:10:23 
でも今日は少し違った。
眠くて仕方が無い…、皆と話しながら意識が半分飛んでいる、あー、やばいなと思っていたら、…ネコが、膝に乗ってきて。
鳩羽殿そんなに人に触りたいのかともう苦笑して、そこで、…意識が途切れた気がする。

あったかくて。

それは俺が何より切望している、もので。


誰かが出ていく物音で目が覚めた時には、人型の鳩羽殿の肩によりかかって寝てた。
最初自分がどういう状態なのか理解出来なくて、ただぼんやりと周囲を見た。

そしたら…寝ている俺を気遣ってか、小声で話す、鳩羽殿の顔がすぐそこに、あって。

慌てて離れた。
 3301: Title Of Mine 5:片 片翼 2004/02/10 02:10:54 
怖かった。
当たり前のように温もりをくれるヒトが。
そしていくら眠かったとは言え、それを受け入れてしまいそうになった自分が。

誰か俺を戒めて欲しいと思った。
孤独という名の鎖でがんじがらめに縛って欲しかった。

誰かの名前を呼ぶことがこんなに怖いと思ったのは初めてだった。


(長くなってすまん_| ̄|○)
 3509: 2月11日頃/シャス シャスレイ 2004/02/12 02:21:07 
ディアルゴ落城の知らせはすぐに届いた。皆がわかっていた事だけにこの結果を受け止めている事だろう。一方で数日前からネウとヘルハンの戦争が続く。外交間で議論は行われてはいるが当人達は出席していないので進展はない。過去を振り返らずに傍から見ればヘルハンが一方的に侵略しているだけな感じがしてしまうが。

空を見上げると天空より降り立ったルニカの船がすぐ近くにあるかの様に見ることが出来る。があまりにも光を強烈に放つそれは凝視する事は難しい。

何が正しい事を行っているのかわからない状況だ、もはやそれは其々の信念を貫き通した者達が正義なのかもしれない。
 3524: フェリ国境の近くで:さとみ さとみ 2004/02/12 04:45:08 
農作業にいそしむ者同士、ちょっと世間話してみた
「いい作物できてますか」
「よろしければ召し上がってくださいな」

農業のお友達ができた♪と思ったら、相手の方はフェリアス農協の役員さんだった
「いろいろ聞いてくださっていいですよ、お答えしますよ」
「ほんとですかっ!」
とても嬉しかった

そして、相談にのっていただきたいことができて、思い切っておうかがいしたら、本当に力になってくださって!

そこへきりるさま登場
「顔絵の下絵できましたよ〜」
「えーっお友達だったんですかー?」
「フェリ出身ですから」

そうして小さな国際交流…バレンタイン、みんなの幸福のお役に立ちたい私たちなのでした
 3526: 呪竜 1:片 片翼 2004/02/12 06:58:19 
「呪いの丘を見ろ!とうとう出やがった!」

いつものように会議室に向かう途中、通りすがりの誰かの声が聞こえた。
焦っているような、諦めているような、そんな声に、空を見上げた。

「…来たか」

前々から噂されていた呪竜祭り。
これでこの世界に、ゼロスパイア、神殿、呪竜の三つが揃った事になる。
もうその思惑を把握するには糸が複雑に絡み過ぎていて、俺には誰が何をしているのかなんてわからないけど。

呪いの丘に向かった。

ただ一つはっきりしている事があったから。

…竜は…嫌いだ。
 3527: 呪竜 2:片 片翼 2004/02/12 07:00:13 
「…圧巻、とは言え、まだまだ出る…か…」

腐臭渦巻く丘の上から、世界各国に出た竜の群れを眺めて呟く。
こんな光景を最初に見たのは…確か一昨年の夏だった。

「…あの時、役に立たなかったとは、言えへん。せやけど、……今のお前らは、ただの邪魔なゴミでしかない…」

崩壊した帝国。
あの日の歓声を忘れていない。
 3528: 呪竜 3:片 片翼 2004/02/12 07:00:38 
だけど今、竜によって巻き起こる悲鳴とため息は、それよりも何よりもこの耳に響く。

「…せめてもう、静かに眠れや。…二度と目覚めんで、ええ…」

腰のソードブレイカーを抜いた。
銀色の鈍い光を握り締めて、顔を上げた。

「…俺は弱い…けどな、お前らなんかにゃ屈しやせん」

それだけ呟いて飛び立った。
もう二度と合間見えたくなかった、あの横暴な力に少しでも立ち向かう為に。
 3551: 呪われし存在:リュ−ト リュ−ト 2004/02/12 13:39:35 
騎士団の執務室にて呪竜出現の知らせを聞いた。

銀髪の天使は目を通していた書類を机に伏せ、小さく呟く。

「…また…か…」

予想はしていたこと、だが、何かしら違和感を感じなくはない。

自分の記憶のフラッシュバックの感覚が短くなってきているせいか、あるいは、その光景が深紅に染められた闇に満ちているからか…。



自らの忌まわしき血が騒ぐ…。
 3561: 呪われし存在(2):リュ−ト リュ−ト 2004/02/12 14:08:00 
呪竜を召還した者たちにとって『正しい』こと

神を崇める者たちにとって『正しい』こと

新たな神の台頭を望む者たちにとって『正しい』こと

天空に昇りし者にとって『正しい』こと

国を愛する者にとって『正しい』こと


全てが相入れぬもの

『正しい』という言葉の意味など所詮その程度のもの



自らの一人の思考の飛躍に微かに苦笑する

思考を切り上げ、椅子から立ち上がった


「さて…、参ろうか…」


我以外の誰にとって『正しい』ことであろうとも、我にとっては『正しい』ことではないのだから…

腐臭漂う忌むべき存在に、絶対なる死を…

もう、王城が瓦礫に変わる様は見たくはない…
 3562: 手紙:ハト 呉鳩羽 2004/02/12 14:23:13 
お手紙が、届きました。
とある人からのお手紙でした。
ちょっとした御用の中に、呪竜祭りの招待券は要るか、と。
そんなことが書いてありました。

今、外の空気に、腐臭が混じっているように思います。
獣の鼻に、この匂いは辛いです。何だか悲しくなるのです。

「――…世界に、喧嘩を売る理由がありませんからねー?」
焦土よりは、人が好きです。
若い皆さんの緊迫した顔は、嫌いです。

『呪竜よりも、ネコ缶の方が好きなのです。』
お返事は、そう書こうと思います。
 3600: 一輪のバラ:トート トート・ルクバト 2004/02/12 21:27:46 
今日も又一つ、国が墜ちた

立ち寄った他国の魔法屋の店主に声を掛けたら
「いま我が国にも腐れトカゲどもが出現しています。
お互い負けないように頑張りましょう!
それではご武運を。」
褐色の顔が微笑みながらそう言ってくれた

有り難う、貴方の魔法は良い出来でしたよ

日の差さない日々の中、私のバラが一つ、又一つ売れていく

「何でだろう、何の力も無い物なのに…」

売れたバラがどうなったのか私は知らない
戦地に赴く恋人の無事を祈ってか?
或いは秘めた想いを誰かに伝える為?

女性も、男性も花を手に私の店を後にする

幸多からん事を…
 3601: 王宮に昇る月@(呪竜討伐応援SS(ぇ “道化師”潤 2004/02/12 21:30:42 
呪竜とやらが、呪いの丘とやらからたくさん生まれ出でて
そのうちの1匹がこの国の王宮に突撃してきて
なんかむかついたんで手に入れたばかりの剣を持って突っ込んで
かすり傷ひとつ追わせられずにぼろぼろになって帰って不貞寝した

夕刻近く、ようやく目が覚めて王宮の様子を見に行ったら
「…なんか、もう1匹見えるのは俺の気のせいか?」
 3603: 王宮に昇る月A(呪竜討伐応援SS(ぇ “道化師”潤 2004/02/12 21:31:25 
分裂でもしたかのように2匹に増えた呪竜を遠くから眺めて
俺は思わずため息をつく
聞いた話によると、俺が怪我して寝入ってる間に現れたらしい
他の国の状況も聞くともなく耳に入ってきたが
まぁ、この国に現れたのはまだ少ないほうらしい…2匹でも、か?
再度深くため息をつきながら、俺は無意識に頭を押さえていた

俺に出来ることは何もない、かすり傷すらつけられないこの現実
今まで修行もせず遊び歩いてきた自分の半生に舌打ちした
 3604: 王宮に昇る月B(呪竜討伐応援SS(ぇ “道化師”潤 2004/02/12 21:31:51 
王宮に背を向けて家路につく
今の俺にできることは何もないという現実が
振り返ることすら許さないかのようにのしかかる
例え生まれつきの強靭な身体と力とを持っていようとも
あの強大な呪竜にはこれっぽっちも通用しない

でも、今まで何にも固執したことがないこの俺が
なんで住み着いたばかりのこの国にここまでこだわる?

そんな疑問が浮かんだ頃、家に帰り着き
そして俺は、そこに残されたメモを目にする
 3605: 王宮に昇る月C(呪竜討伐応援SS(ぇ “道化師”潤 2004/02/12 21:32:29 
メモは3通あった
それは、王宮の会議室で何度か顔を合わせた奴等からだった
ひとつは、何も出来ないと嘆いていた俺への、的確なアドバイス
ひとつは、部屋が手狭な俺への、保管所というものの紹介状
ひとつは、まだ力の乏しい俺への、強力な魔法の格安販売の紹介…

しばらくの間、ぽかんとそれを見つめていた俺は
なんだか無性におかしくなってきて、その場で笑い出した

「変わった奴等だよなぁ…
 俺なんかよりずっと役に立つ奴いるのに
 …なんで、ここまでしてくれるんだろ?
 まだ新参者で…信頼できる奴かどうかもわかんねぇのに?」
 3606: 王宮に昇る月D(呪竜討伐応援SS(ぇ “道化師”潤 2004/02/12 21:33:02 
3通のメモを残してくれたそれぞれの3人とも、
当然のごとく、まだ住み着いたばかりの俺とは
そんなに極端に親しいわけでもなく、顔を合わせるのも稀で…

 あぁ、そっか

俺はその3通のメモを大事に懐にしまいつつ
もと来た道を引き返していた

「いい奴等すぎるんだよなぁ…」

呟くその口元に、嬉しそうな苦笑を浮かべつつ
 3607: 王宮に昇る月E(長文失礼(汗 “道化師”潤 2004/02/12 21:34:29 
とりあえず、役に立てるかどうかなんて分からない
ただ、あの呪竜をぶちのめしたい、それだけだ
もちろん、俺の力だけで勝てるわけもない
昨日のように、かすり傷ひとつつけられないかも知れない
それでもまぁ、みんなと一緒に、少しでもいいからぶちのめしたい
そう…俺は悪魔なんだから、「正義」なんて言葉は似合わないし
だからこれはきっと「偽善」なんだ
うん、そういうことにしておこう


  走り出した視線の先には、月夜に映える王宮と呪竜


                  王宮に昇る月  Fin.
 3638: 宵 1:片 片翼 2004/02/13 02:08:27 
「…役に立つとか、そういうのはどうでも良いんだ、多分」

迎賓館の帰り道、パナルモに戻る途中。
空は相変わらず綺麗で、周囲に広がる森も、夜の闇に支配されつつ、何かが生きていて。

「…必要だとか、そうじゃないとか、いらないとか…そんなもんどうでも良いんだ」

遠く腐臭を放つ丘は今も騒がしいのに、まるでここだけ別世界。

「…要は、ここに居たいかどうかなんだ。…ここにいて、何をしたいかなんだ…」
 3639: 宵 2:片 片翼 2004/02/13 02:09:55 
右手が疼く。いくら病院に通っても、何も変わらない堕天の傷がうずく。
何もかも棄てて来たはずなのに、この手の平には零れる程に大事なものが沢山あって。

「…見返りが欲しかったわけじゃないだろう、誰かに誉められたかったわけでもないだろう…ただ、ここに居たくて、誰かの為に、何しかしたくて…」

見上げた空には月一つ。
水精霊は元気だろうか、奥さんとこ行ったあいつは元気だろうか、もう二度と会えない…あいつらはどこかで元気だろうか。
 3640: 宵 3:片 片翼 2004/02/13 02:10:53 
「…必要無いなんて、言うな…そんなお前だからこそ愛してる奴らが、ここにはこんなに居るのに…」

だからこそ俺は、掃除夫なんて似合わない事しているんだから。この国に留まっているんだから。
何処にも居場所なんて無くて。
何処に行っても良かったはずなのに。



箱舟にも乗らずこの地に留まっているのは、ただ、    愛しいから、だけ。
 3641: 隅っこ。:コゼン 鼓前 2004/02/13 02:12:01 
隅っこ。

隅っこにちびっこがいた。

事情で動けないちびっこは、すみっこでスケッチブックを片手に
鉛筆を走らせる。

動けないのならと、目の前で仕事をしている赤い蛙殿をスケッチする。
それに気付いた赤い蛙殿は、ちびっこに声をかけ手元を覗き込む。

ちびっこは、描くのはスキだった。
ヘタの横好きと言われるが、それでもスキだった。
たまに苦痛を感じるが・・・(ぇ

そして今書いているのは、いくつかの蛙の絵…。
赤い蛙殿ではない。
隣にたたずむ赤い蛙殿は、ニコニコしながらちびっこを見ている。

後日、赤い蛙殿の管理する施設が、何かでイッパイになるのを想像して(何


 3642: 風/シャス シャスレイ 2004/02/13 02:35:45 
世界は日々変化を遂げている。それが果たして良い方向なのか悪い方向なのかは結果だけが知っていて神さえ知らないだろう。
ガッツオ内でも竜の出現によって些か混乱が起こってはいた。が竜の数も少なく、他国などの影響はないためそれほどの混乱と言ったところでもなかった。

不意に風が頬を撫でてゆく、臭気の風だった・・・。それなのに何処からか何かを運ぶ風・・・。(風が呼んでいるのか?)そう思った。
ガッツオに来て約一ヶ月。旅人に戻るかどうか、一度決断しなければならない時期だろう。
「さて、どうするかな?」そう言っている間も臭気は体を包み込む。
「とりあえず、風呂か」そう思うと浴衣姿のまま銭湯に向かった。
 3643: 出会いについて 1:コサ コサ 2004/02/13 02:55:42 
「なーんか、ガッツオもワタワタして来たなぁ…(ボケー」
家の縁側に腰掛け、広大な畑を見回しながらボクは
「あ、あんな所に虫わいてるし…(ポイ(捨」
と言った状態で、緊迫感のかけらも無いほどボケていた。(ぇ


ボクの名前はコサ。年は22才で種族は「風の精霊」。
ボクは今、親父とコゼチャと共に大農場で平和に暮らしている。

自分より10歳年上の親父、プシー。
自分より5歳年下の母上、コゼチャ。
二人とも種族は「魔人」である。

両親との血の繋がりはないけど本当の家族だと思ってる。

何故ボクが、種族も違う、年も近い2人と親子なのか?
コレは今から22年前、ボクが生まれた所から始まる。
 3644: 出会いについて 2:コサ コサ 2004/02/13 02:56:57 
まず始めに、親父とボクが出会ったのは、
親父が10歳。ボクが0歳の時だった。

ある日親父が森に髭蜜柑を採取しに行ってる時
何処からとも無く赤ん坊の声が聞こえてきたらしい。
最初は怖いのでそのまま通り過ぎようとしたのだが、
懸命に「生きたい」と泣き叫んでいるボクを放って置く事が出来ず
御神木のそばに捨てられていたボクを見つけてくれた。

白い布に包まれた、小さな赤ん坊。
親父は赤ん坊の側へ駆け寄り抱き上げようと力を入れた瞬間
赤ん坊は驚くほど軽々と持ち上がった。
 3645: 出会いについて 3:コサ コサ 2004/02/13 02:57:35 
腕の中でフワフワと揺れる小さな赤ん坊。

親父は大声でなくその子を泣き止まそうと指で頬を撫でていると
小さな手が親父の指をキュッと握り締めた。
人の温もりを肌で感じた瞬間、安心したのかピタリと泣き止み
親父の方を向いてニコっと笑顔を見せた。
その子は、今まで見た事も無い髪と瞳の色から
魔族で無い事はすぐに解ったが、

「こいつは俺が育ててやらなきゃいけない」

と、なぜかそう思ったと親父は話してくれた。
(今思うとあのまま放っときゃ良かったぜ!と付け足されたけどね(クソ親父…
 3646: 出会いについて 4:コサ コサ 2004/02/13 02:58:45 
それから22年が経ち
親父が32歳、ボクが22歳の時。
親父が行き成り「俺恋人が出来た!」と嬉嬉とボクに話し掛けてきた。

32の親父が恋人出来たぐらいではしゃぐなよ…と思いつつも
この髭をお気に召した相手の人の方が気になり紹介するよう頼んだ。


数日後…ボクは我が目を疑った。


「ジャーン!コレが俺の恋人ちゃん♪名前は鼓前ってんだ♪」
「どもはじめましてっす!俺、鼓前って言います!ヨロシクッス!」


鼓前ちゃんって言うのか♪うんうん♪ラブリーじゃないか♪・・・って


「こ・・・鼓前ちゃん年いくつ?」
「? 17歳っすよ♪」


ほーほー17歳ね〜〜〜♪ピチピチギャルじゃのー♪
 3647: 出会いについて 5:コサ コサ 2004/02/13 03:01:11 
………………(沈黙

『…このクソ親父ーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!
おまえ17って!激烈犯罪じゃねーーかよ!!猥褻罪だよ猥褻罪!!!』
「あぁ?別に良いじゃねーかよ。愛さえあれば年の差なんて関係ねーんだよアホ息子」
と…年の差関係ないっつったって…幾らなんでも15は離れすぎだろ…
と呆れ顔のボクを他所に当人二人は着々と愛を育み
とうとう結婚と言う形をもってゴールインしたのであった。
ボクはと言うと、最初は自分より年下の母が出来る事に戸惑ったが
だんだんその環境にも慣れ、今では兄妹のような親子にまで発展したのであった。


はぁ〜〜〜スンゲー平和♪(オイ
終わり。(色々申し訳ない!(平伏し
 3771: 白と茶色。1:きりる キリル 2004/02/14 02:55:00 
日付が変わり、世間がバレンタインだと騒ぎ立てる日がきた。
呪竜が発生したりしていてそれどころではなさそうな気もするが、
やはり一年に一度の大切な行事であるのだろう。その手に握り締められているのは、何度も何度も読み返したのか、
紙はまだ新しいのに、折り目の部分が少し切れ始めている。

手紙だった。彼女の大切な人からの・・・。
 3772: 白と茶色。2:きりる キリル 2004/02/14 02:55:25 
ずっと一緒にいることを誓った人がいる。
ただその為にはどうしても避けられない一年の旅路。
一年したら、帰ってくる。
心に何度も言い聞かせ、寂しさを堪え見送った。

これからの未来の為の 離れ離れの日々。
寂しさは日に日に募り 彼の留守宅に時々届く手紙だけで
彼の安否を知り 一喜一憂する生活。

もちろん他に夢中になれることはあった。
絵を描くことは好きだし、お菓子を作ることも好きだ。
みんなと話すと楽しくなるし、落ち込んだりもするけれど
楽しく過ごせていた。昼間は・・・
 3773: 白と茶色。3:きりる キリル 2004/02/14 02:56:02 
夜になると増長する寂しさ 時々支配されることもあった
昼間は楽しさで忘れられることもあったが 夜は静かで暗く
闇に紛れて押し寄せる寂しさからは 逃れられず

娘も留守がちな広い大農場で 一人月を見上げてみて
少し涙を零したりした夜も多々あっただろう・・・

そんな弱い自分に 嫌気がさして
自分が嫌いになりそうな時もあった

そしてある時。ポストに入っていたのは、手紙。
 3774: 白と茶色。4:きりる キリル 2004/02/14 02:56:28 
見覚えのある封筒、しばらく見たことはなかったけれど。
急いで封を切る。けれど慎重に、大事な手紙だとわかるから。
封筒から出して、開いた便箋には、見慣れた文字。
大切な 大切な人の書いた 温かい感じの文字。
彼の留守を預かっている友人が届けてくれたのだろう
彼からの 優しい言葉を ステキなコトバを。


そんな世間の雰囲気とは対照に、浮かない表情でため息をつく少女。

嬉しくて涙がこぼれた。嬉し涙なんて、久しぶりだった。

「予定ではあと2ヶ月で帰れそうだ」

手紙のコトバを何度も言い聞かせる。
 3775: 白と茶色。5:きりる キリル 2004/02/14 02:57:47 
それでも世間の雰囲気はバレンタイン。
あげたい相手は遥か遠く、届けることもできず。
何度も読み返した手紙は淵が擦り切れ始め。
じっとしているのも寂しくて、チョコレートを刻む。
貰い手の不在な、チョコレート。

でもね、日付なんて関係なくて。
あげたいって気持ちが大事なんじゃないかって。
戻ってきたらあげればいいじゃない、そう思ったらなんだか、
ちょっと楽しくなってきて。夜中までお菓子を作っていた、そんな日。
 3811: 拝啓、異大陸へ:ハト 呉鳩羽 2004/02/14 15:50:55 
拝啓 錆呉藍様

 暦の上に春は立ち乍ら、世間の気候は未だ冬です。
 春寒の候、皆様は如何お過ごしでしょうか。

 籤姉が此方に来るとは聞いて居りませんでした。
 僕を驚かせる算段は、兄と姉、どちらの差し金ですか?
 兎も角其方の皆様も御元気との事、聞いて安心した所で御座居ます。
 兄の御子さんの顔、早く見たいと思う次第です。
 ハク君は、皆さんとちゃんと仲良く遣って居るでしょうか。
 繊細な子だけに心配です。気にして上げて欲しいと思います。
 娘は…甘やかして仕舞ったので、ご迷惑を掛けて居ないと良いのですが。
 3812: 拝啓、異大陸へ(2):ハト 呉鳩羽 2004/02/14 15:51:32 
 此方は、何とか上手く遣って居ます。
 ダークネスさんと言う良い方に拾って頂けまして、
 現在はお城の片隅に住んで居ります(少し、緊張します)。
 呪竜に殴られて居るお城の、お役に立てないのが心苦しいばかりです。
 そうそう、以前お手紙した通り、此方で息子が一人出来ました。
 片翼君と言います。
 少し照れ屋さんで、未だお父さんとは呼んで呉れ無いのですが、
 とても可愛い子で、呉兄にも紹介出来ないのが非常に残念です。
 僕は御義姉さんの顔を見た事が無いから、お相子かなとも思いますが。
 3813: 拝啓、異大陸へ(3):ハト 呉鳩羽 2004/02/14 15:58:10 
 最後に成りましたが、今日はバレンタインと言う事で、
 皆様にチョコレートを送ろうと思ってお手紙をしました。
 (余り大きな荷物は送れませんので、お菓子だけでご容赦下さい)
 ちゃんと4つ人数分有りますので、兄一人で食べない様に。
 其方に着く迄に、溶けて仕舞わない事を祈ります。

 其方も矢張り色々大変な情勢と聞き及びます。
 皆様が健勝で有らせられます様。海を隔てて祈って居ります。
 其れでは、又。                            敬具

                  二月十四日 ネバーランドにて 錆鳩羽
 3814: 拝啓、異大陸へ(4):ハト 呉鳩羽 2004/02/14 16:01:16 
 
 
(――そんな風に纏められた手紙。和紙に筆で書かれた達筆な文字。
 離れて住む家族に宛てられたそれは、然る男から受け継いだ式神の足に括られ、
 ちょっとだけ重いチョコレートをおまけに送られることになった)
 
 
 3848: 月 1:片 片翼 2004/02/15 01:44:41 
最近寝不足だ。
寝ないとただでさえ体力無いんだからこの戦もちこたえられん、と思って今夜は早めに床についた。
寝不足の原因は解っているし。

「…父様、が…あかんねんな…」

多分今も迎賓館でごろごろと喉を鳴らしているであろう某三十路を、見えない瞼の裏に思い起こす。
つい先日、俺を引き取る事になった義父。
俺より背も低いくせして、なんだか大きいのか小さいのかよくわからないあいつ。

「…親父、でも…ぱたぱたするしなあ…」

最近の悩み事。
それは彼をどう呼べば良いのかわからない事。
今のところは殿付けで、甘えたい…時とか、特別っぽい時とかは、父様とか呼んで、叫ぶ時は親父で。
 3849: 月 2:片 片翼 2004/02/15 01:45:12 
「…ちっきしょ…慣れんことなんぞするもんじゃない…」

寝返りをうって溜息を吐く。
嫌じゃないから尚更困る。どうでも良いと放り出せない逃げ出せない。

「…ああ、逃げ出しても…追いかけて…探し出す、んだっけ…」

例えば姿が変わっても。
例えば名前を変えてしまっても。

見つけられる、そう胸を張っていた、義父と義兄。

そんな姿が恐ろしくて頼もしくて愛しくて ただ 何も言えずに。

眠りに落ちる意識の中、もう棄てたくないと もう落ちた瞼に見えない月に 祈った。
 3856: 早文:U-ya U-ya 2004/02/15 04:20:26 
祐は一人でも大丈夫だよな?
出かける前に父親はそう言った。
だから、何とか一人でも頑張ってみようと思った。
ある日、呪竜が1匹、2匹と出現した。
試算では、危機状態に入る前に1匹は退治出来ると踏んでいた。
残り1匹なら、ギリギリで乗り切れるだろう。
…そこで3匹目があらわれた。どう試算しても、このままでは乗り切れない。
ひとりでも頑張ろうと思った。国のみんなと力を合わせれば、きっと何とかできる。そう思っていた。しかし、現実は甘くない。
そして、二度とあんな思いはしたくなかった。して欲しくもなかった。
少し試案したあと、早文を2通送った。届け先は…
 3871: 二通の手紙:トート トート・ルクバト 2004/02/15 12:45:36 
「何故、この国に竜をお呼びになりましたか?」
私には分からなかった。
「風よ運べ、我が言霊、彼の者の元へ」
返事は期待しなかった、敵ならば当然なのだから。

その日の内に二通の手紙が届いた。
どちらも真面目な青年だった。

指図をした者が居るらしい。そして理由はどちらも分からないと。
しかし私は思う。それなりの理由があり、そして又…
「あなた方にとってその方はとても大事なのですね」
もう逢う事は無いかも知れないその二人に返礼の言霊を贈った。

さて…明日も壊れた城壁を塗りに行かなきゃ。
空を見上げ今日の無事を祈った。
 3876: 余話:トート トート・ルクバト 2004/02/15 13:09:50 
「俺はガッツオを出る事にしたので会議室ではもう会う機会はないと思う。」
いきなりですか!?
彼は嵐の様に現れ嵐の様に去っていった。せっかちな方だ。
理由は後で知った。大事な方のお約束らしい。

余りに急だったので掛ける言葉を探しあぐねた。
その後は良く覚えてない。呂律の回らぬ言霊が彼に届いたやも。

旅立つすがら残して行ったらしい手紙。
「俺の言動力が必要だと思ったら俺を呼んでくれ」
それには小さな紙切れが挟まって居た。
『シャスレイ召喚符』

…使って良い?
 3878: To be Continued…(ちまちま継続:潤 “道化師”潤 2004/02/15 13:28:22 
夢に見るのは。

モノクロの情景

禍々しい瘴気を撒き散らし、破壊を繰り返す…強大な…

けれど、それよりも恐ろしいのは

……そう、人々。
 3880: To be ContinuedA…(ちまちま継続:潤 “道化師”潤 2004/02/15 13:37:38 
…夢を見た。
遠い過去の情景
禍々しい瘴気を撒き散らし、破壊を繰り返す「それ」は
いま、この国にも襲い掛かっている…
その現実を目の当たりにしながらも、俺はふと安堵の溜息をついている自分に気がついた
ぼんやりと取り戻した記憶、心の底の方から俺に呼びかける声

   人間タチヨリ怖イモノハナインダヨ
 3881: To be ContinuedB…(ちまちま継続:潤 “道化師”潤 2004/02/15 13:42:06 
俺は悪魔(デーモン)
親父は闇エルフで、お袋は魔族だった
でも二人とも強いくせに争い事が好きではなかった
そもそもそういったものが面倒で煩わしかったらしい
だから、人間の多い国を避け、人里離れた荒野に住んでいた
もちろん、どこかの国に所属することもなかった

その事実は、やがて悲劇を生み落とす
 3882: To be ContinuedC…(ちまちま継続:潤 “道化師”潤 2004/02/15 13:47:15 
ある日、近隣の国に「禍々しきもの」が現れた
当時まだ幼かった俺には分からなかったが、相当やっかいなシロモノだったらしい
親父とお袋も、それを退治するために出かけていった
別に呼ばれたわけではなかったのだが
ただ、自分たちの暮らしを、自分たちの居場所を、
そして、その「禍々しきもの」が破壊しようとする全てを
ただ、守るために
 3883: To be ContinuedD…(ちまちま継続:潤 “道化師”潤 2004/02/15 13:51:14 
風の噂で、「禍々しきもの」が滅んだことを知った
けれど、親父とお袋は帰ってはこなかった
そのかわり、近隣の国の兵隊がやってきて、俺たちの家を取り囲んだ
掛け声と共に突入してきたそいつらは、俺たちを取り押さえてなんかいろいろ話してたっけな…

「まったく、厄介な事をしてくれやがって」
「だから在野の魔族どもなんか、さっさと殺してしまえばよかったんだ」
「あんなものを召喚しやがって、おかげで俺らの国は…」
「おい、このガキどもはどうするよ?殺っちまうんだろ?」
「わざわざ手を下すまでもねぇ、そのへんに放っておけば野良犬にでも食われるさ」
 3884: To be ContinuedE…(ちまちま継続:潤 “道化師”潤 2004/02/15 13:55:22 
俺たちの家は燃やされ、俺たちは荒野に放り出された
兵隊どもが言うには、俺の親父とお袋が
その「禍々しきもの」を呼び寄せたのだと…

「違う!父さんも母さんも、そんなことしやしない!」

俺を捕らえる手を振り払い、抵抗しながら叫んでみても
まだガキだった俺の…しかも悪魔である俺の言葉などには

誰も、耳を傾けようなどとはしなかった
 3887: To be ContinuedF…(ちまちま継続:潤 “道化師”潤 2004/02/15 14:03:45 
…ふと冷たい風が頬を撫で、俺は回想から我に帰った
そう…俺は生き延びた。あちこち彷徨いながら。
今となっては何処が自分の故郷であったのか、
その近隣国が何と言う国だったのかも分からない
当時は生き延びるのに必死で、そんなこと気にする余裕もなかったんだっけな…

結局のところ、親父とお袋はその国の奴らに捕らえられて
言い分すら聞いてもらえることもなく、そのまま処刑されたらしい
「禍々しきもの」に大打撃を与えるだけの力を持った二人だったんだから、周囲の奴らすっとばしてでも逃げればいいものを…それをしなかったあたり、あの親らしいと言えばらしいのかもだが
 3888: To be ContinuedG…(ちまちま継続:潤 “道化師”潤 2004/02/15 14:08:12 
「禍々しきもの」…
この国にもいまなお襲い掛かる、それは「呪竜」
俺がこんなにあれの討伐に燃えるのも、そういう経緯があったからなんだろうか…思い出してみればどこか虚しい

「あんなつえー奴と戦ってたんだなぁ、親父とお袋は…」
思わず失笑してしまった
「まぁあれだ…まだ終わっちゃいねぇ」
城壁を削り暴れまわる「呪竜」を思い浮かべ、俺は剣を取る
今日もまた、無謀ながらもそれに挑んでいく
 3889: To be Continued…H(番号の位置間違ってた:潤 “道化師”潤 2004/02/15 14:13:53 
結局のところ、親父とお袋を殺したのは人間たち
でも俺はそれを憎むことはなかった
そのかわり、俺の心の奥底にはいまも残っている

【人間たちへの恐怖】

それでも…

「やっぱ、この国の奴らは別格だかんな」

【信じられる】 そう思ったことは、人前では口に出さないだろう


…そういえば
「あの頃、俺と親父たちの他にも誰かいたような…」
そのことだけは思い出せないまま、剣を手に家から走り出した

               【To be Continued…】Fin.
 3939: 無題 1:片 片翼 2004/02/15 22:24:24 
ガッツォ近郊にルニカの舟が現れてしばらく経った。
近くにあるけれど遠い存在のそれに興味を持って、大聖堂なんかをうろうろして情報とか見て回った。
それにはそこの住人やその関連する人物達の自宅も含まれていて。

ある一人の自宅前で、俺は足を止めた。

誰もが自分の生い立ちや身分を書き記す一枚のボード。
その人物も当然のようにボードを言葉で埋めていて。

背筋が凍った。


―我等は闇の息子、狂気の娘なり。
―讃えよ、総ゆる邪悪を。
―声高に言祝ぎ謳え、死と困苦の在るを。



二度と聞きたくなかった言葉。
二度と 二度と 二度と
 3940: 無題 2:片 片翼 2004/02/15 22:25:10 
どうやって自宅に辿りついたか覚えていない。
気付けばただ一人部屋に閉じこもっていた。

もう忘れた筈だったのに、記憶の片隅に追いやられたそれは全く色を失っていなくて。

赤。
黒。
赤。

…血の色そして破壊の色。

怖い 恐い こわい

「……どうして今更…っ………!」

壁を殴りつけた痛みなんて忘れて。

今はどうしようもない心の痛みだけが全身を支配していて。



涙も出ないなんて勘弁して欲しかった。
 4107: 予兆:氷雨 黄泉神楽氷雨 2004/02/17 20:15:16 
ガッツオへの帰還を思い立ち、約一年を過ごしたフーリュンを後にしたのが約ニ月前。親衛隊の面々への挨拶の為正面玄関に赴きガッツオが平時にないことを判断した。

「忙しそうですね・・余裕が出来るまで待ちますか・・」

そう呟き森で野宿を始めたのが一月半程前。
稀に街道へと赴き道行く人々から情勢を知る。そんな日々を送る。

数多くの友がいるガッツオはそう簡単に落ちはしない。
そう信じつつも日々不安はつのる。
思ったより戦が長い・・・
 4108: 帰還:氷雨 黄泉神楽氷雨 2004/02/17 20:26:18 
森を駆ける。

「空が赤い・・・誰かが大きな力を使ったか」

街道へ出て見えるものは・・・

「ガッツオが・・・・・・・・燃えている・・・」

驚愕の言葉を漏らしつつも、半ば予想していた現実を見据え呟く。

「急がねば。彼らとの手合わせは事が片付いてからでもできる。今はこの国を護るが先決。」

護りたい。今はそれだけ。
 4145: 殺す戦いから護る戦いへ:焔  2004/02/18 02:29:10 
旅先で聞いたイヤな噂話
「ガッツオがヤバイらしいぞ」
その言葉を聞いた瞬間脳裏に浮かんだのは無邪気な息子の笑顔…
「遊んでる場合じゃなさそうだな…ミヤビさんは一足先に帰って下さい私は用事を済ましたらすぐ後を追いますから」
そう妻に伝えると黒髪のハーフエルフは駆けだした。何の目的もなくただひたすら魔物を殺めていた傭兵の自分ではなく。大事な者を護る者として…
 4146: 帰郷:焔  2004/02/18 02:42:27 
ガッツオに着き我が目を疑った…
「これが、今のガッツオなのか…」
城壁が限界ギリギリで持ってる状態というのは一目で理解できた。美しかった森は火に飲まれ崩壊へと向かっていた。
「呪竜め…許さん…」
静かにしかし力強く呟くと彼は刀を握り直し呪竜へ向かって駆けだしていった家族と故郷を護るために

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